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2013年6月26日水曜日

急性心不全には塩分制限、水分制限は必要なし?


JAMA Intern Med 2013;173:1058-1064

急性の非代償性心不全患者75例を, 塩分制限+水分制限群 vs 制限無し群に割り付け, 体重変化, 臨床症状の変化を比較したRCT.
 塩分制限; Na 800mg/d (塩分量にして2g/d)
 水分制限; 800ml/d. 7日間 or 退院(<7d)まで継続.
 Control群は通常の食事を摂取. (2.5L/dの水分と, Na 3-5g/d(塩分量7.6-12g)
 
患者はEF≤45%でBoston criteria score ≥8を満たす患者群.
 ClCr <30ml/min, 心原性ショック, 基礎疾患で致死的な状態, 認知症で指示に従えない状態は除外.

母集団のデータ;
アウトカム; Baseline~Day 3での体重変化, 臨床的うっ血所見は有意差無し.
口渇感の自覚症状は塩分, 水分制限群でより高度となる.

薬剤使用量も両者で有意差無し.

制限群
Control p
利尿薬IV
94.7% 97.3% >0.99
血管拡張薬
26.3% 18.9% 0.58
強心薬
1例のみ
0

Loop利尿薬の量
84.7[40.7]mg/d 79.1[31.0]mg/d 0.50
利尿薬IVPOへの移行時期
4d[2.0-7.2] 4d[2.0-7.0] 0.97


Baseline〜退院時のLabも両者で同等.

Control群が実際どの程度水分摂取、塩分摂取をしていたかの評価が無く,
「心不全急性期で食事がとれていない」可能性は否定できない.
その場合は両群とも塩分, 水分摂取は少なくなり, 有意差がでないのはうなずける.
また、喉乾いたときに好きなだけ水分摂取が可能なControl群では口渇間も少なくて済む.
その点の評価が足りていないため, 本当に制限が必要ないかどうかはよくわからない.

まぁ、追試がでるまでは, そこまで頑張って制限しなくても良いかもしれない、という程度で捉えておくことにしよう.