尿酸降下薬として, アロプリノールやフェブキノスタットは慢性腎疾患患者における腎保護効果が認められている
http://hospitalist-gim.blogspot.jp/2015/11/blog-post_25.html
2006-2012年のMedicare claims dataより, 初期に腎疾患(-)で,
新規にアロプリノール開始された31465例と
新規にフェブキノスタット開始された26443例を解析
(Ann Rheum Dis 2017;76:1669–1678. )
・このうち腎疾患発症したのが8570例.
薬剤と投与期間, 投与量別の新規腎疾患発症率
Propensity score-matched analysisでは
・アロプリノールはフェブキノスタットよりも有意に腎疾患発症リスクが低い.
・フェブキノスタットでは投与量別で差はない
アロプリノールでは高用量ほど腎疾患リスク軽減効果が高い
他の腎疾患リスク因子
・高齢者, 利尿薬併用患者ではさらに腎疾患リスク上昇.
--------------------------------
・フェブキノスタットよりもアロプリノールの方が腎保護作用が良好な可能性.
DIHSの心配はあるものの, 使用するならばアロプリノールを優先すべきであろう.
特に専門は絞っていない内科医のブログ *医学情報のブログです. 個別の相談には応じられません. 現在コメントの返事がうまくかけませんのでコメントを閉じています. コメントがあればFBページでお願いします
ブログ内検索
2017年10月17日火曜日
抗CCP抗体陽性/陰性 RAの発症経過の比較
Leiden clinical suspect arthralgia cohortにおいて, 後に関節炎を発症した67例を解析.
(Ann Rheum Dis 2017;76:1751–1754. )
・Leiden clinical suspect arthralgia cohort: Leiden大学において, 2012年より行われているCohort. 1年未満の小関節痛を認める患者で, RAに進展する可能性があると判断された患者を対象.
・抗CCP抗体陽性例と陰性例で症状や発症経過に違いがあるかを比較
後にRAと診断された67例中, 抗CCP抗体陽性例は30例であった
*Clinical suspect arthralgia(CSA)についてはこちらも参照
http://hospitalist-gim.blogspot.jp/2016/10/clinically-suspect-arthralgiacsa-ra.html
RAと診断された患者群における抗CCP抗体陽性, 陰性例の比較
・陰性例ではより下肢関節罹患率が少ない
また握りこぶしを作りにくいことが多い
圧痛関節は陽性例よりも多い.
経過の比較
・抗CCP抗体陽性例ではより早く関節炎が出現, 進行する.
陰性例ではより緩徐に進行する経過となる.
---------------------------------
CSAにおいて. 抗CCP抗体陰性例ではゆっくり進行し, RAに至る可能性がある.
そのぶん長期間フォローした方が良いし, 患者さんにもそのような説明をすることが重要.
(Ann Rheum Dis 2017;76:1751–1754. )
・Leiden clinical suspect arthralgia cohort: Leiden大学において, 2012年より行われているCohort. 1年未満の小関節痛を認める患者で, RAに進展する可能性があると判断された患者を対象.
・抗CCP抗体陽性例と陰性例で症状や発症経過に違いがあるかを比較
後にRAと診断された67例中, 抗CCP抗体陽性例は30例であった
*Clinical suspect arthralgia(CSA)についてはこちらも参照
http://hospitalist-gim.blogspot.jp/2016/10/clinically-suspect-arthralgiacsa-ra.html
RAと診断された患者群における抗CCP抗体陽性, 陰性例の比較
・陰性例ではより下肢関節罹患率が少ない
また握りこぶしを作りにくいことが多い
圧痛関節は陽性例よりも多い.
経過の比較
・抗CCP抗体陽性例ではより早く関節炎が出現, 進行する.
陰性例ではより緩徐に進行する経過となる.
---------------------------------
CSAにおいて. 抗CCP抗体陰性例ではゆっくり進行し, RAに至る可能性がある.
そのぶん長期間フォローした方が良いし, 患者さんにもそのような説明をすることが重要.
2017年10月12日木曜日
結核と血清CA-125
CA-125(Cancer antigen 125)は卵管内皮細胞, 子宮内膜, 胸膜内皮細胞, 心外膜, 腹膜に発現するGlycoprotein.
・卵巣癌や肺癌, 乳癌, 大腸癌, 膵癌で上昇する一方,
非腫瘍性疾患でも上昇する. 子宮内膜症, 肝硬変, 心不全など
血清CA-125は活動性結核でも上昇することが知られている
活動性の肺結核40名, 非活動性の肺結核20名, Control 36名で評価
(Respir Med. 2001 Aug;95(8):666-9.)
・血清CA-125値(U/mL); Baselineと治療開始後の評価
・活動性結核では有意にCA-125は高値となり, 治療により低下する結果.
韓国における結核性腹膜炎48例と卵巣癌370例で
血清CA-125値を評価した報告
・卵巣癌や肺癌, 乳癌, 大腸癌, 膵癌で上昇する一方,
非腫瘍性疾患でも上昇する. 子宮内膜症, 肝硬変, 心不全など
血清CA-125は活動性結核でも上昇することが知られている
活動性の肺結核40名, 非活動性の肺結核20名, Control 36名で評価
(Respir Med. 2001 Aug;95(8):666-9.)
・血清CA-125値(U/mL); Baselineと治療開始後の評価
|
Group |
Baseline |
2mo |
4mo |
6mo |
3yr |
|
活動性肺結核 |
77.5[81.8-137.5] |
28[27.4-48.1] |
12[12.0-20.8] |
8.8[8.5-13.5] |
9.0[8.5-12.2] |
|
非活動性肺結核 |
13.5[10.8-18.2] |
|
|
|
|
|
健常人(Control) |
10.0[8.1-13.9] |
|
|
|
|
活動性結核42例, 非活動性結核35例, 健常人20例においてCA-125を評価した報告
(Clin Invest Med 2012; 35 (4): E223-E228. )
・活動性結核では治療開始後もフォローした.
・活動性結核(Group 1)は非活動性結核(Group 2), 健常人(Group 3)と比較して有意にCA-125は高値となる結果
・また, 治療後はCA-125は低下する.
64例の結核患者においてCA-125値をフォローした報告
(Jpn. J. Infect. Dis., 64, 367-372, 2011)
・肺結核が40例, 胸膜炎が13, 心外膜炎8, 腹膜炎3例
・肺結核の45%, 結核性漿膜炎の全例でCA-125は上昇.
・結核性漿膜炎症例の方がCA-125は高値であった.
・また, 治療とともにCA-125は低下を認めた.
活動性肺結核 100例を前向きにフォローした報告
(Tuberculosis 93 (2013) 222e226 )
・CA-125は38.9±41.4U/mL. 38%で上昇していた.
・CA-125上昇に関連する因子は女性, 喀痰抗酸菌染色陽性例, 肺空洞性病変, 広範囲の病変.
・治療開始後は有意にCA-125は低下する
(Yonsei Med J 54(5):1241-1247, 2013 )
・結核性腹膜炎ではCA-125は3桁程度
1000U/mLを超える場合は卵巣癌の可能性が高い
他の疾患ではCA-125はどうか?
各肺疾患と血清CA 125の評価
(Jpn J Infect Dis 2008;61:68-9)
|
Group |
CA 125(U/mL) |
|
活動性肺結核(30) |
118.46(248.41) |
|
非活動性肺結核(37) |
40.80(50.95) |
|
肺, 胸膜悪性腫瘍(25) |
57.77(65.59) |
|
市中肺炎(28) |
47.76(60.76) |
|
COPD急性増悪(13) |
50.02(74.15) |
|
その他(13) |
76.45(54.46) |
・他の胸部疾患でも上昇はするが, 活動性肺結核の方が上昇は高度となる.
・活動性肺結核35名, 他の胸部疾患54名の評価ではCA 125>32.5U/mLはSn 68.6%, Sp 77.8%で肺結核を示唆する
NTMにおけるCA-125はどうか?
(Respirology (2010) 15, 357–360 )
・NTM症例 53例でCA-125を評価した報告
・28例の肺結核症例と比較した.
・両群でCA-125値は有意差なし
・また, NTMの臨床経過とCA-125の変動も一致する
血清ではなく, 腹水, 胸水CA-125はなんでも上昇するため注意
非癌性の胸水 38例, 腹水 46例において, 胸水, 腹水CA-125を評価.
・胸水貯留はTB, 膿胸, 肝硬変, デング熱, 心拡大, 肺アメーバ
・腹水貯留は卵巣癌, 感染性, TB, アルコール性肝炎, 肝炎, 肝硬変, 腎不全等.
・CA-125はほぼ全例で上昇したとの結果(CA-125 >65U/mL)
・胸水, 腹水中CA-125の値.
結核と感染症は高値となりやすい.
・CA-125を評価するならば血清にしておくべきで, 体液中のCA-125上昇には意義は乏しい
--------------------------------
・原因不明の腹水貯留でCA-125が上昇している場合, 卵巣癌が思い浮かぶと思いますが, 結核も合わせて想起したいところ.
・活動性結核と血清CA-125値には相関性があり, 治療により低下する
・特に結核性漿膜炎や, 肺結核でも喀痰抗酸菌染色陽性, 空洞性病変, 広範囲の病変ではCA-125は高値となりやすい
・結核ではCA-125が1000U/mLを超える場合もあることはあるが, 基本的に3桁程度までと考えるべき. 4桁行く場合はやはり癌を考えた方が良いかもしれない.
・また結核以外にもNTMでも上昇するし, 他の疾患でも上昇する可能性はあるため注意.
子宮内膜症, 肝硬変, 心不全は有名. これらによる胸水貯留, 腹水貯留ではないかどうかは気にしておくべき.
・胸水, 腹水中のCA-125はなんでも上昇するため, 鑑別には役に立たない.
2017年10月9日月曜日
敗血症と考えたら1時間以内に抗菌薬を
敗血症における抗菌薬投与までの時間を予後を評価した報告はいくつかある.
2015年のMetaでは, 早期抗菌薬使用で予後に有意差は認められない結果であった.
(Crit Care Med 2015; 43:1907–1915)
その後後ろ向きではあるが, いくつかNの大きい報告がでている.
ERを受診した重要敗血症患者で, 24h以内に抗生剤が開始された3929例を対象とした後ろ向きCohort.
(Crit Care Med 2017; 45:623–629)
・全体の死亡率は12.8%, 敗血症性ショックへ移行したのは25%
アウトカム
・初回抗生剤投与までの時間が1時間遅れるごとに敗血症性ショック移行リスクは8%増加する.
・院内死亡リスクもOR 1.05[1.03-1.07]と上昇する結果.
New York州における敗血症治療例49331例の解析.
(N Engl J Med. 2017 Jun 8;376(23):2235-2244.)
・New York州では敗血症の早期認知, 早期治療のためのプロトコールを作成.
ER到着から6時間以内にSepsis protocolを開始, 3時間以内に血液培養, 広域抗生剤の使用, 乳酸の評価を行うよう推奨している.
抗生剤投与までの時間と死亡率, リスク(B)
・(B)抗菌薬投与までの時間が長くなればなるほど死亡リスクも上昇している.
(C)補液ボーラス投与のタイミングはあまり関連はない
カルフォルニア北部で21のERよりランダムで抽出した敗血症症例35000例において, 抗菌薬投与までの時間と院内死亡リスクを評価した.
(Am J Respir Crit Care Med Vol 196, Iss 7, pp 856–863, Oct 1, 2017)
・抗菌薬投与までの時間は2.1時間[1.4-3.1]
抗菌薬投与までの時間と院内死亡OR
・1時間遅れるたびに OR1.09[1.05-1.13] 死亡リスクが増大
・絶対死亡率は,
敗血症では0.3%[0.01-0.6]増加,
重症敗血症では0.4%[0.1-0.8]増加,
敗血症性ショックでは1.8%[0.8-3.0]増加する.
-------------------------
論文では様々な結果がでているものの, 敗血症と考えたらすぐ抗菌薬を開始して悪いことはないであろう.
個人的には1時間以内に, 「適切」な抗菌薬を開始することを信条としているし, そう指導をしている.
それには「適切」な感染源の検索と「適切」な起因菌の想定を迅速に行うことが不可欠で, 「不適切」な検査結果を待つ必要はない.
一見「手間」がかかるグラム染色が最も迅速に答えにたどり着く方法であったりします.
2015年のMetaでは, 早期抗菌薬使用で予後に有意差は認められない結果であった.
(Crit Care Med 2015; 43:1907–1915)
その後後ろ向きではあるが, いくつかNの大きい報告がでている.
ERを受診した重要敗血症患者で, 24h以内に抗生剤が開始された3929例を対象とした後ろ向きCohort.
(Crit Care Med 2017; 45:623–629)
・全体の死亡率は12.8%, 敗血症性ショックへ移行したのは25%
アウトカム
・初回抗生剤投与までの時間が1時間遅れるごとに敗血症性ショック移行リスクは8%増加する.
・院内死亡リスクもOR 1.05[1.03-1.07]と上昇する結果.
New York州における敗血症治療例49331例の解析.
(N Engl J Med. 2017 Jun 8;376(23):2235-2244.)
・New York州では敗血症の早期認知, 早期治療のためのプロトコールを作成.
ER到着から6時間以内にSepsis protocolを開始, 3時間以内に血液培養, 広域抗生剤の使用, 乳酸の評価を行うよう推奨している.
抗生剤投与までの時間と死亡率, リスク(B)
・(B)抗菌薬投与までの時間が長くなればなるほど死亡リスクも上昇している.
(C)補液ボーラス投与のタイミングはあまり関連はない
カルフォルニア北部で21のERよりランダムで抽出した敗血症症例35000例において, 抗菌薬投与までの時間と院内死亡リスクを評価した.
(Am J Respir Crit Care Med Vol 196, Iss 7, pp 856–863, Oct 1, 2017)
・抗菌薬投与までの時間は2.1時間[1.4-3.1]
抗菌薬投与までの時間と院内死亡OR
・1時間遅れるたびに OR1.09[1.05-1.13] 死亡リスクが増大
・絶対死亡率は,
敗血症では0.3%[0.01-0.6]増加,
重症敗血症では0.4%[0.1-0.8]増加,
敗血症性ショックでは1.8%[0.8-3.0]増加する.
-------------------------
論文では様々な結果がでているものの, 敗血症と考えたらすぐ抗菌薬を開始して悪いことはないであろう.
個人的には1時間以内に, 「適切」な抗菌薬を開始することを信条としているし, そう指導をしている.
それには「適切」な感染源の検索と「適切」な起因菌の想定を迅速に行うことが不可欠で, 「不適切」な検査結果を待つ必要はない.
一見「手間」がかかるグラム染色が最も迅速に答えにたどり着く方法であったりします.
登録:
投稿 (Atom)




















