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2012年5月29日火曜日

Basilar-type migraine 脳底型片頭痛 by三木

UpToDateより (補足; 片麻痺性片頭痛について)


脳底型片頭痛(Basilar-type migraine)
1961年にBasilar artery migraineとしてBickerstaffが提唱した“migraine with aura”(前兆を伴う片頭痛)の1つ。
当初、病因として“血管攣縮説”が唱えられたが、現時点では“皮質拡延性抑制”にとどまっている。
他のmigraine with auraとの違いは、前兆症状の局在が脳幹,両側後頭半球であること。
(典型的なmigraine with auraは一側半球である)

疫学
有病率:不明

発症年齢:7〜20歳が多い(65%が30歳未満)
→発症が遅くなるにつれて重症になりやすい。
性差:女性1.3〜3.8:男性1
家族歴:片頭痛(73〜86%)、てんかん(12%)
症状
1.前兆
持続時間:5〜60分(ただし、2分〜72時間の報告あり)
前兆の症状は2つ以上ある
25%で2〜30分程度の意識障害あり
95%で典型的な前兆が認められる。
ほとんどの患者で何らかの視覚異常がある
2.頭痛
持続時間:4時間〜2日
拍動性後頭部痛で嘔気を伴うことが多い。
26%の患者では前兆があっても頭痛がみられない

前兆の症状

回転性めまい (61%)
両側性感覚異常 (24%)
構音障害 (53%)
意識障害 (24%)
耳鳴 (45%)
難聴 (21%)
複視 (45%)
失語 (40%)
両側性視野障害 (40%)






発作のトリガー
1.ストレス
2.月経
3.気圧変化
4.頭部外傷
5.食事
6.避妊薬
7.喫煙
8.過労

診断基準 International Headache Society
他の疾患に起因しない発作が少なくとも2回あり、以下を満たす。
1.運動障害のない以下の完全可逆的な前兆が2つ以上ある。
構音障害、耳鳴、難聴、めまい、意識障害、運動失調、複視、
両側性感覚異常、両眼の耳側および鼻側の両側にわたる視覚異常

2.少なくとも以下の2項目を満たす。
-少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか、または/および、異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する。
-それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内。

3.片頭痛が前兆出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。

検査



種々の検査は、他の疾患の除外目的に行う
1.頭部MRI,MRA,CTA
時々、血管浮腫による後頭皮質の変化が一過性にみられるとの報告あり。
ただし、基本的には椎骨脳底動脈血栓症、動脈瘤、動脈拡張、動脈狭窄、動静脈奇形などの除外目的。
2.EEG
発作中は、全ての患者で徐波異常を認めたとする報告あり。てんかん様活動をみることあり。

鑑別疾患

一過性脳虚血発作(TIA)
メニエール病
椎骨脳底動脈解離
前庭神経炎
家族性 or 孤発性片麻痺性片頭痛
(→運動障害の有無が鑑別点)
後頭蓋窩の腫瘍
側頭葉てんかん 複雑部分発作
キアリ奇形
脳底動脈瘤 くも膜下出血
静脈洞血栓症
発作性運動失調症
代謝性脳症(中毒含む)
良性発作性頭位めまい症
精神疾患


BTMと遺伝子異常


 例えば, ATP1A2の変異、CACNA1Aのナンセンス変異
    報告レベルであり、集団研究では認められず。

BTMと家族性片麻痺性片頭痛(Familial hemiplegic migraine:FHM)はオーバラップした点があり、FHMがBTMのgenetic formである可能性ある。FHMの72%は片麻痺さえ除けばBTMと同じ発作を生じる。

BTMの治療
BTM治療のRCTはない。
1.他の片頭痛の発作時治療
→ただし、トリプタン、エルゴタミン、β-blockerは血管収縮作用があるため、理論上薦められないとする専門家が多い
2.制吐薬
3.後頭神経ブロック
→40mgのトリアムシノロン(ケナコルト-AR)を混ぜた0.25%ブピバカイン(マーカインR)3ccを注射する。

予防薬

ベラパミル (ワソランR)
HMで効果示され、first choice
ラモトリギン (ラミクタールR)
副作用皮疹のため、16歳未満には推奨されない。
フルナリジン
入手できない。
フェニトイン(アレビアチンR)

プリミドン (プリミドンR)

トピラマート (トピナR)

バルプロ酸 (デパケンR)

アミトリプチリン
(トリプタノールR)

ナロキソン (ナロキソンR)
1つだけ0.8mg/日で効果あったとの報告。


発作が頻回であったり遷延するなら予防治療の適応になる。
1.ベラパミル120mg/日から開始する。
(最大360mg/日 分1or分2まで増量できる。ただし、小柄、高齢者では120mg/日よりさらに少量から開始する。)
↓ 効果ない、中止するしかない
2.ラモトリギン25mg/日に変更する。
(最大100mg/日まで週単位で増量できる。ただし、最初の1-2ヶ月で皮疹が10%ほど認められる。成人1/1000人でStevens-Johnson syndromeなど致死的な皮疹が生じる。その頻度は小児でさらに多く、16歳未満では推奨されない。)
↓ 効果ない、中止するしかない
3.アミトリプチリン、トピラマート、バルプロ酸を試す。







朝レク 虫垂炎の数字

臨床推論シリーズ 虫垂炎の数字 by 高岸


2012年5月27日日曜日

糖尿病性神経障害のマネージメント


Lancet Neurol 2012; 11: 521–34 より良いReviewがでたので, 
他の文献も合わせて要点のみまとめてみた。by 高岸

神経障害は全人口の2%, 40歳以上の15%で認める.
 その最も多い原因が糖尿病によるもの.
 糖尿病患者の30-50%で神経障害を合併している.
 糖尿病による神経障害のパターンは, Distal symmetrical polyneuropathy(DSP)が最多.
 他にはSmall-fibre predominant neuropathy, radiculoplexopathy, 自律神経障害がある. 
Lancet Neurol 2012; 11: 521–34

末梢神経障害は糖尿病性足壊疽, 感染のRiskを7倍に上げる
 下肢切断の原因の61%を占めるとされる
 切断した患者群の5yr死亡率は39-80%と高い. 
JAMA 2010;303:1526-32

Distal symmetrical polyneuropathyの評価
音叉を用いた振動覚の評価
 128Hzの音叉を用い, 最初に手で患者に振動を認識させる
 次に音叉を患者の母趾背側に当て, 振動を感じなくなった後に,そのまま自分の母趾背側に当て, 自分が感じなくなるまでの時間を測定
 その時間が10秒以内ならば正常, 10秒を超える様ならば異常と判断.

Monofilamentによる評価  JAMA 2010;303:1526-32
 DM神経障害の評価には5.07 filament(10gの圧力を与える)を使用する
 患者は臥位で閉眼した状態で, filamentを垂直に当てる.
 当てる強さはfilamentが歪む程度まで. 当てる時間は1秒程度.
 部位は各足3カ所程度で2カ所以上分からなければDM footと診断
 もしくは, 各足底5カ所, 母趾, 第4趾, 第1, 3, 5趾のMP関節部で評価するとの推奨もある(Semmes-Weinstein monofilament evaluation)



Diabetic neuropathic pain(DNP)のマネージメント
DM患者の10-20%, DM性神経障害の40-60%で認める.
 DNPは焼ける様な痛み, 電撃痛, 刺される様な疼痛と表現される.
 異痛症や痛覚過敏となることもある.

エビデンスのある薬剤、薬剤選択のアルゴリズムは以下の通り




2012年5月24日木曜日

IST-3 trial; 脳梗塞 発症6時間以内のt-PA


Lancet Published Online May 23, 2012 (出版前のWeb発表)

IST-3 trial

脳梗塞発症6時間以内の3035名を対象としたopen-label RCT.
t-PA 0.9mg/kg vs Placeboに割り付け, 6ヶ月後の神経学的予後, 死亡率を比較.
ちなみに, 母集団の53%が80歳以上.
発症からt-PA投与までの時間は平均4.2時間.

神経学的予後はOxford Handicap Scale(OHS)で評価. 0-2点が自立.
0; Handicap無し.
1; 軽度の症状のみ. 生活に障害無し
2; 軽度のHandicap. 生活は自立
3; 中等度のHandicap. 介助必要だが, 一部のみ
4; 中等度-重度. 介助必要だが, 常にではない.
5; 重度. 常に介助必要.

Outcome;
6ヶ月でのOHS 0-2は 37% vs 35%, OR 1.13[0.95-1.35] と有意差無し.
6ヶ月でのOHS 0-1は 24% vs 21%, OR 1.26[1.04-1.53] とt-PA群の方が予後良好

死亡率は,
@7日目では 11% vs 7%, OR 1.60[1.22-2.08]とt-PAの方が死亡率が高いが,
7d-6moでは 16% vs 20%, OR 0.73[0.59-0.89]とControlの方が死亡率が高い.
合計して, @6moまでの死亡率は27% vs 27%で両者同等.

気になる脳出血リスクは, 7% vs 1%, OR 6.94[4.07-11.8]とt-PAで7倍に増加.

Sub-analysisでは, 年齢, 発症〜t-PA開始までの時間では特に有意差でず.
NIHSSが高い程, t-PAの効果が期待できる傾向にあるが, これも有意差なし.

まとめると, 6時間以内のt-PAは,
 早期死亡率を増加させるが, 全体での死亡率は有意差無し.
 OHS 0-2の生活自立は両者有意差ないが,
 より神経予後が良好なOHS 0-1をOutcomeとするとt-PAの方が良好となる.
 誰に6時間以内にt-PAを使用すべきか?という適応については未だはっきりしない.


DVT、PEに対するワーファリン終了後はアスピリンで(2012/11/05 update)

WARFASA trial; 初回のunprovoked VTE患者402名の二重盲検化ランダム比較試験.
(N Engl J Med 2012;366:1959-67.)

 全患者で6-18ヶ月のワーファリン療法を施行され、その後,
 アスピリン 100mg/d vs Placeboに割り付け, 2年間フォロー.
 血栓症の再発リスクと出血リスクを比較.

結果は,

出血リスクを上昇させず、血栓症のリスクをNNT 20程度で低下させる(2年間で)

ASPIRE trial; WARFASAと同じデザインのDB-RCT.
 N=822で, 2-4年間投薬を継続し, 比較.
(NEJM 2012; online first, Low-Dose Aspirin for Preventing Recurrent Venous Thromboembolism)

ASPIRE trialの結果は,
Outcome
Placebo
Aspirin
HR
VTE再発
6.5%/y
4.8%/y
0.74[0.52-1.05]
 DVTのみ
3.8%/y
3.3%/y
0.86[0.56-1.33]
 PEのみ
2.7%/y
1.5%/y
0.57[0.32-1.02]
Major Vascular event
8.0%/y
5.2%/y
0.66[0.48-0.92]
出血
0.6%/y
1.1%/y
1.73[0.72-4.11]



VTE再発リスクはPlaceboと有意差は認められなかった.
リスクを低下させる傾向があるのみ.

ASPIREとWARFASA trialの結果をまとめると, 全体的にはリスク低下効果は認められる可能性が高いが, 今後の大規模Studyにて結果は左右される可能性があり, 要注意 


VTEの治療に際して、毎回ワーファリンはいつきるべき迷う状況。明確な治療期間も定まっていないこの分野。
(一応3ヶ月以上という推奨はある)

思い切って、アスピリンにかえちゃおっかな、的な選択もありなのかもしれない。

ちなみに, このようなDVT患者の再発リスクファクターとして、
 治療終了時のD-dimer ≥250µg/L, 患肢の色素沈着, 浮腫, 発赤,
 BMI≥30, 65歳以上は再発リスクとなる.
女性ではRisk0-1でDVT再発1.6%/yrだが, Risk2以上ならば14.1%/yrとなる.
男性では当てはまらない. (CMAJ 2008;179:417-26)

2012年5月23日水曜日

症例 覚えておきたい稀な頭痛 その1

60台の男性。主訴頭痛。

境界型耐糖能障害程度の既往のみ。
来院10日前より頭痛。頭痛は右前頭部、眼周囲、後頭部のズキズキする様な痛み。
眼の奥も痛む。最初は経過観察していたが、徐々に増悪するために入院3日前に外来受診。
そこではNSAID座薬による鎮痛のみで帰宅した。

その後も徐々に増悪し、我慢できない痛みとなったために再度受診した。
頭痛の性状はこの10日間で変わっていない。程度が増強。
ズキズキは非拍動性。NSAID使用後は軽快するが、切れるとまた増悪。
疼痛時には流涙も軽度あると。主に右目から。
霧視、複視、視野障害の自覚無し。嘔気無し。来院時に悪寒戦慄を認めた。
それまでは37度前半の微熱を認めていた。
また、入院2日前より右鼻の軽度鼻閉感あり。鼻汁無し。

元々頭痛持ちではない。

既往歴は耐糖能障害のみ。薬剤はなし。
喫煙なし。飲酒なし。
Vital はBT38.0度以外は問題無し。
身体所見では、右前額部でKnock pain陽性眼の圧痛無し。
瞳孔左右差無し。眼球運動左右差なし。対座法で視野も正常。
視神経乳頭浮腫なし。眼の血管雑音無し。
他、脳神経系に問題無し。
項部硬直なし。

◯◯を疑い頭部CTをチェック!

頭部CTでは...(注; 本人のものではありません)



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【蝶形骨洞炎】Sphenoid Sinusitis

蝶形骨洞炎は副鼻腔炎全体の2.7%と稀な部位.
 他の副鼻腔炎からの波及からが一般的.
 症状も非特異的であり, 神経合併症を来して初めて診断されることも多い.


頭痛は眼の奥の痛み.
周囲への波及により視神経障害, 髄膜炎, 硬膜下血腫
静脈洞血栓症など呈する症例報告も多数.
 神経症状は蝶形骨洞に接するII, III, IV, V1, V2, VIが障害され得る.
 また, 下垂体障害の報告もある.
蝶形骨洞周囲の解剖の図(ネッターアトラス)

蝶形骨洞の疾患は, 炎症(感染症)と腫瘍浸潤を考える必要がある。
症状では炎症性疾患では頭痛が98%と高頻度である一方, 腫瘍性疾患では76%,
反対に腫瘍性では視野障害が50-60%で認められる。炎症性では12%のみ。

頭痛の部位としては、眼窩後部、後頭葉の疼痛が69%, 顔面痛17%.
膿性鼻汁は10%, 片側性の鼻閉は24%と他の副鼻腔炎と比較して少ない.

(Otolaryngol Clin N Am 2004;37:435-51)

蝶形骨洞炎の起因菌;
 最も多いのはS aureus > Streptococcal spp.
 嫌気性のグラム陰性菌も7%程度で認められる.
 真菌ならばAspergillusが多い. 免疫不全患者では要チェック.
治療は早期で合併症が無ければ抗生剤でOK
 上記細菌をカバーする. CTRX+クリンダマイシンなどが推奨
 髄液, 血液培養, 膿からの培養が判明すればDe-escalationを行い, 3-4週間は治療することが推奨.
 治療開始から48-72時間経過しても症状緩和乏しい場合, 神経症状など合併症出現時は緊急ドレナージの適応. 喉頭ファイバーによるドレナージなど. 耳鼻科コンサルト必要.
(Otolaryngol Clin N Am 2004;37:435-51Ann Acad Med Singapore 2004;33:656-9)


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実際の患者さんではABPC/SBTで治療を開始。
当初はあまり改善なくドレナージか、ということで焦りましたが、問題なく改善。
神経障害の出現もありませんでした。

ほっとくとアカン副鼻腔炎もあるということと、
特異的所見もないため、頭痛では念頭に置かないと見逃す疾患なので注意しましょう。

By 高岸

2012年5月22日火曜日

急性アルコール中毒 by 城Dr


急性アルコール中毒 Dynamed翻訳
【障害臓器】
中枢神経、腸管、肝臓、膵臓、心臓、筋肉、血液
アルコール中毒状態契機の外傷によってそれ以外の臓器も損傷

【罹病】
18歳以上300人を横断調査
●17.7%がアルコール依存、アルコール濫用状態
●49.3%は少なくとも一つアルコール濫用による臓器障害を持つ
故意でないアルコール多飲により死亡する率は0.1/10万人

【病理】
アルコール脱水素酵素がアルコールをアセトアルデヒドへ変換する。
この反応は2030mg/dl/hの速度
アセトアルデヒドは急速に浄化される

【合併症】
青年期の問題あるアルコール利用は成人してからのアルコール濫用、うつ、反社会性人格障害のリスク増加に関係している。そのほかのリスク因子は喫煙やアルコール中毒の父親だった。

【主訴】
50100mg/dl :判断力低下、抑制・協調性低下、感覚不全
100200mg/dl:行動変化、不明瞭発語、運動・バランス失調、認知障害
200300mg/dl:傾眠、平衡感覚障害、嘔吐、誤嚥、複視
300400mg/dl:昏睡、呼吸抑制、健忘、低体温、不整脈

【問診】
外傷の有無
飲酒量
その他の薬物乱用
離脱症状
意識状態の変化

【薬歴】多くの薬物がアルコールと相互作用を起こす

【身体所見】
vitalや外傷の徴候を確認。重症のアルコール中毒は頻脈性不整脈を引き起こす

【診断】
呼気や血液から飲酒量を測定

【除外】
アルコール離脱、アルコールによる幻覚
他の中毒:エチレングリコール、メタノール、イソプロピルアルコール、ベンゾジアゼピン、麻薬、一酸化炭素中毒、フェニトイン
代謝障害:低酸素、低血圧、低血糖、低体温、DKA、尿毒症、低Na、高Ca、肝性脳症
感染:敗血症、髄膜炎、脳炎
神経疾患;痙攣、痙攣後、Wernicke-korsakoff、脳卒中
閉鎖性頭部外傷:硬膜外血腫、硬膜下血腫、SAH、脳挫傷、脳震盪
入院中にイソプロパノール手指洗浄剤を経口摂取することで中毒になるcaseが報告されている

【血液検査】
血清浸透圧計算:2×NaBUN/3Glu/18+エタノール/5
アルコール中毒による血小板減少
血清FAEEs(脂肪酸エチルエステル)濃度は少なくともエタノール摂取後24h持続。

【治療】
アルコール関連痙攣を起こした場合はロラゼパム2mgsingle ivすることが有意義。再発を大幅に減少(48時間以内の再発3vs24%:NNT7.7)させる。
メタドキシン:ビボリブ 
・慢性アルコール中毒依存症治療薬、シアナマイドのような副作用なし
・急性アルコール中毒からの回復を早める
・メタドキシン300mgIVにより2時間後の臨床カテゴリーが改善(76.9 vs placebo 42.3% NNT3)。血中アルコール濃度は105.4mg/dl vs 60.1mg/dl 
効果がないもしくは悪化する薬剤:
ピリドキシン、フルクトース、フルマゼニル1mg(ただし25mg以上は効果あるかも)、ナロキソン、プロプラノロール40mg

【その他治療】
輸液
嘔吐などに対する対症療法
電解質補正
アルコールは急速に吸収されるため、胃洗浄の効果は限られる。
●2日酔い予防
・飲酒5時間前にサボテン(Opuntia ficus indica)抽出液を内服すると2日酔いがいくらが軽減されるかもしれない(ただし厄介でない症状の緩和程度。嘔気、食欲不振、口渇感など)

【予後】
アルコール中毒は事故、交通外傷のリスクを増加させる