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2018年3月22日木曜日

ピロリ除菌と胃癌のリスク

(N Engl J Med 2018;378:1085-95.)
韓国における単一施設でのRCT.
早期胃癌(粘膜, 粘膜下層に限局)もしくはHigh-grade adenomaで内視鏡的切除術を施行した470例を対象としたDB-RCT.
・患者は以下を満たす
 生検で胃癌, High-grade adenomaを認め, 内視鏡的切除術を予定されている
 内視鏡にて腫瘍が明確で潰瘍形成がない
 CTで遠隔転移やリンパ節転移を認めない
 18-75
 H. pylori感染が証明されている
・除外項目
 再発性胃癌, H. pylori除菌の既往, Poorly differentiated tubular adenocarcinoma, signet-ring-cell carcinoma, 抗菌薬で重大な副作用がある, 内視鏡的切除後に外科的切除の必要があると判断された群

これら患者群を, H. pylori除菌療法群 vs Placeboに割付けその後5年以内の胃癌発症リスクを評価.
・除菌療法はAMPC 1000mg, CAM 500mg, PPI7日間
 Placebo群ではPPIのみ使用.
・PPIは両群とも4wk継続(潰瘍治療のため)した.
フォローは3M, 6M, 1yで内視鏡を行い, 以後は6-12M毎に内視鏡フォロー

母集団

アウトカム
左: 除菌療法施行の有無での評価
右: 除菌成功の有無での評価

除菌療法施行群, 除菌成功群では有意に胃癌再発リスクは低下する.

アジアにおける除菌と胃癌リスクの評価では2004年に中国からも報告がある

(JAMA. 2004;291:187-194 )
中国の高リスク地域で行われたRCT.
健常人でHP感染を認める 1630(そのうち988例は萎縮性胃炎, 腸上皮仮性, 胃粘膜異形性を認めない患者群)を対象
・除菌群 vs プラセボ群に割り付け, 胃癌リスクを比較.

母集団

アウトカム
・胃癌リスクは除菌群, 非除菌群で同等の結果

・前癌病変(-)の群では, 有意に除菌群で胃癌リスクは低下する
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前述の論文より,
 早期胃癌やHigh-grade Adenomaで内視鏡的粘膜切除を行なった患者では除菌により胃癌再発リスクは低下する.

後述の論文より,
 粘膜萎縮や腸上皮仮性, 異形がない場合も除菌による胃癌リスク軽減効果が期待できる.

2015年のコクランでは除菌療法は有意に胃癌リスクを軽減するという結果: RR0.66[0.46-0.95]
(Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jul 22;7:CD005583.)

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