以前は呼吸機能検査の1秒率により治療薬選択をしていたが, 2011年Guidelineでは, それ以外に自覚症状(mMRC, CAT), 急性増悪頻度で(A)-(D)に分類し, その群毎に推奨治療を規定している.
GOLD 1; FEV1 80%,
GOLD 2; FEV1 50-80%
GOLD 3; FEV1 30-50%
GOLD 4; FEV1 <30%
Group
|
呼吸機能
|
急性増悪/年
|
mMRC
|
CAT
|
A
|
GOLD 1-2
|
≤1回/年
|
0-1
|
<10
|
B
|
GOLD 1-2
|
≤1回/年
|
≥2
|
≥10
|
C
|
GOLD 3-4
|
≥2回/年
|
0-1
|
<10
|
D
|
GOLD 3-4
|
≥2回/年
|
≥2
|
≥10
|
各群の推奨治療
Group
|
1st choice
|
2nd choice
|
追加治療
|
A
|
短期作用型 抗コリン吸入
もしくは 短期作用型 β2刺激薬吸入 |
長期作用型 抗コリン吸入
もしくは 長期作用型 β2刺激薬吸入 もしくは 短期作用 抗コリン + β2 |
テオフィリン
|
B
|
長期作用型 抗コリン吸入
もしくは 長期作用型 β2刺激薬吸入 |
長期作用型 抗コリン吸入
+ 長期作用型 β2刺激薬吸入 |
短期作用型 抗コリン吸入
もしくは/+ 短期作用型 β2刺激薬吸入 |
C
|
ICS+長期作用型β2
もしくは 長期作用型抗コリン薬 |
長期作用型 抗コリン吸入
+ 長期作用型 β2刺激薬吸入 |
PDE-4阻害薬
短期作用型 抗コリン吸入 もしくは/+ 短期作用型 β2刺激薬吸入 テオフィリン |
D
|
ICS+長期作用型β2
もしくは 長期作用型抗コリン薬 |
ICS+長期作用型抗コリン
ICS+長期作用型β2+抗コリン ICS+長期作用型β2+PDE-4阻害薬 長期作用型抗コリン+長期作用型β2 長期作用型抗コリン+PDE-4阻害薬 |
カルボシステイン
短期作用型 抗コリン吸入 もしくは/+ 短期作用型 β2刺激薬吸入 テオフィリン |
自覚症状の評価; CAT, mMRC
CAT; COPD Assessment Test; 8項目を0-5点で評価. 0-40点
|
点数
|
|
咳はしたことがない
|
0 1 2 3 4 5
|
常に咳をしている
|
喀痰は全くない
|
0 1 2 3 4 5
|
喀痰が非常に多い
|
胸部の苦しさは無い
|
0 1 2 3 4 5
|
非常に胸が苦しい
|
階段を上っても大丈夫
|
0 1 2 3 4 5
|
階段を上がると苦しい
|
特にADLの障害は無い
|
0 1 2 3 4 5
|
ADLが酷く障害されている
|
呼吸の状態に関わらず, 外出できる
|
0 1 2 3 4 5
|
呼吸の性で外出ができない
|
しっかりと睡眠がとれている
|
0 1 2 3 4 5
|
睡眠がとれていない
|
エネルギーに満ちあふれている
|
0 1 2 3 4 5
|
エネルギーが枯渇している
|
mMRC; modified Medical Research Council
Grade
|
|
0
|
負荷のかかる運動のときのみに呼吸苦がある
|
1
|
高所へ上る時や平面を急ぐ時に呼吸苦がある
|
2
|
呼吸苦で同世代の人よりもゆっくりしか動けない
|
3
|
数分の歩行で息切れして休んでしまう
|
4
|
呼吸苦で家から出れない. 着替えでも呼吸苦がある
|