(JAMA 2001;286:1754-58)
ICU入室患者352名のSOFA scoreと死亡率を比較したStudy (JAMA 2001;286:1754-58)
入室時と48時間毎にSOFAを評価し, 平均値, 変化値, 初期値と28日死亡率を評価.
患者の平均年齢は59歳(18-95), 内科ICU患者が55.4%, 外科ICU患者が44.6%.
SOFA scoreと死亡リスク
初期のSOFA 9では死亡率33%, >11では95%に及び,
最大SOFA 10では死亡率40%, >11では80%に及ぶ.
変化値も予後推定に重要であり, SOFAのフォローにて値が上昇, 不変, 低下にて死亡率も異なる.
SOFAの初期値と, フォローの変化別の死亡率
このStudyがよくSOFAの死亡リスクを評価する際に使用されているが、これは内科、外科双方のICU患者が含まれており, 敗血症性ショック患者における死亡リスク推定に使用できるかは不明.
敗血症性ショック患者を対象としたRCTにて, SOFA scoreと死亡率が評価されているものを抜き出してみてみると,
PROWESS study(NEJM 2001;344:699-709, APC vs Placeboを比較)におけるプラセボ群のSOFA scoreと死亡率は,
SOFA
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28日 死亡率
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0-7
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20.6%
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8-9
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28.2%
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10-11
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34.5%
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>11
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44.9%
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(Crit Care Med 2003;31:12-9)
CORTICUS trial(NEJM 2008;358:111-24, Steroid vs Placeboを比較)におけるプラセボ群のSOFAは10.6±3.2, 死亡率は31.5%
上記JAMA 2001年のstudyではSOFA 10-11における死亡率は50%となる一方,
敗血症性ショック患者を対象としたStudyのプラセボ群ではSOFA 10-11で死亡率は31.5-34.5%となる.
外傷, 外科患者での多臓器不全ではやはり死亡リスクが高いという事を意味しているのか.
こういう数字を知っておく事の意味?
それは, デザインがしょぼいstudyのバイアスを見抜く眼を養うためと, 自分の施設での管理のレベルがどうかを評価するのに使えるからなのさ。