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2013年1月18日金曜日

Low activityを達成した関節リウマチで生物学的DMARDを減量もしくは中止したRCT


Maintenance, reduction, or withdrawal of etanercept after treatment with etanercept and methotrexate in patients with moderate rheumatoid arthritis (PRESERVE): a randomised controlled trial
Lancet 2013; online first

PRESERVE trial; Etanercept + MTXでLow activityを達成した患者群のDB-RCT
MTX 15-25mg/wk, ≥8wk投与でModerate activity (DAS>3.2, ≤5.1)のRA患者にEtanercept 50mg/wkを追加し, 追加後36wkの時点でLow activityを達成した604名を対象. (元々は834名, 72.4%が達成)
以下の3群に割り付け, Double-blindで52wk継続. RAのactivityを比較
継続群
Etanercept 50mg/wk + MTX
Etanercept減量群
Etanercept 25mg/wk + MTX
Etanercept中止群
Placebo + MTX


患者群のBaselineのデータ;

割り付け後、52wkのアウトカムは,
アウトカム
Placebo
Etanercept 50mg
Etanercept 25mg
DAS28 ≤3.2
42.6%
82.6%
79.1%
DAS28 <2.6
29.4%
66.7%
60.2%
ACR20
48.7%
75.5%
74.6%
ACR50
25.9%
62.5%
57.2%
ACR70
11.2%
35.5%
31.3%
DAS28
3.5(1.4)
2.4(1.0)
2.5(1.1)
SDAI
13.5(11.3)
6.3(6.8)
7.0(7.2)
CDAI
12.7(11.0)
5.6(6.6)
6.3(7.0)
圧痛関節数(0-28)
3.8(4.7)
1.4(3.0)
1.4(2.4)
腫脹関節数(0-28)
2.5(3.6)
0.8(1.8)
1.0(2.4)
朝の強ばり(min)
132.4(316.9)
62.3(226.5)
48.0(153.9)
CRP(mg/L)
10.2(14.6)
7.0(10.2)
6.7(7.7)
Modified total sharp score(0-448)
42.8(48.3)
42.6(58.8)
38.9(59.8)
rate of progression (U/y)
0.60(0.13)
-0.06(0.13)
0.05(0.13)
Erosion score(0-280)
26.4(28.6)
25.7(34.6)
24.7(36.4)
rate of progression (U/y)
0.33(0.11)
-0.05(0.10)
0.02(0.10)
Joint space narrowing score(0-168)
16.4(21.5)
16.9(25.4)
14.2(24.6)
rate of progression (U/y)
0.27(0.07)
-0.01(0.07)
0.02(0.07)


左A; DAS28で評価した寛解達成率, 左B; ACR/EULAR Booleanで評価した寛解達成率
左C; SDAIで評価した寛解達成率
右A; DAS28の変化, 右B; SDAIの変化

Etanercept維持群と減量群は特に有意差認められないが, 中止群のみ寛解率は低下する.
"一度寛解しても生物学的DMARDは中止するのは困難だが, 減量はできる"
もしくは, 
“中止しても3-4割は寛解〜Low activityを維持できる” と理解してもよいのかもしれない.

2013年1月17日木曜日

レクチャー 鎖骨下動脈盗血症候群

鎖骨下動脈盗血症候群
Subclavian steal syndromeについて

2013年1月16日水曜日

経管栄養時の胃残量評価(Residual volume)


JAMA. 2013;309(3):249-256
CRICS trial; 2日以上人工呼吸器管理される患者で, 挿管後36h以内に経管栄養が開始された452名のOpen-label RCT.
胃残量モニタリング(-) ⇒ 逆流, 嘔吐の有無で経管栄養の可不可を評価する群
胃残量モニタリング(+) ⇒ 上記 + 6h毎の評価で残量≥250mlならば経管栄養不可と判断する群

Baseline;
血管作動薬は約50%で使用, 筋弛緩薬は26-27%で使用.

アウトカム;
Outcome
モニタリング(-)
モニタリング(+)
AD
VAP
16.7%
15.8%
0.9%[-4.8~6.7]
嘔吐
39.6%
27.0%
12.6%[5.4-19.9]
経管栄養困難
39.6%
63.5%
-23.4[-31.0~-15.9]
下痢
22.5%
23.0%
-0.5%[-7.0~6.0]
ICU感染症
26.4%
27.0%
-0.6%[-7.5~6.3]
呼吸器管理期間
7d[4-13]
7d[5-13]
0[-1~0]
28d死亡率
27.8%
27.5%
0.3[-6.7~7.2]
90d死亡率
36.3%
34.2%
2.1[-5.4~9.5]

胃残量モニタリングはより嘔吐を減少させるが,
経管栄養可能な例も不可能と判断してしまうリスクがある.

モニタリング無くてもVAPのリスクは変わらず, 予後にも影響はしない.

2013年1月11日金曜日

巨赤芽球性貧血 ビタミンB12欠乏 葉酸欠乏

巨赤芽球性貧血について
ビタミンB12欠乏について
葉酸欠乏について


2013年1月7日月曜日

抗NMDAR抗体陽性 辺縁系脳炎のReview

Lancet Neurologyより抗NMDAR脳炎 577例のReviewがでました。
貴重なデータです。簡単にまとめてみました。(online first)







レジオネラ肺炎214例の比較

スペインの単一施設における15年間の市中肺炎を評価 (Medicine 2013;92: 51-60)
1995-2010年に入院した免疫正常者の市中肺炎は3934例.
その内Legionella pneumophilaによる肺炎は214例(5.4%)であった.

面白いのは肺炎の季節性.
肺炎全体でみると冬場に多く, 夏〜秋にかけては肺炎は少なくなるが,
 レジオネラ肺炎はその逆。夏〜秋にかけて頻度が増加している.
 相対的に肺炎全体に占めるレジオネラ肺炎の頻度も増加する.
 (夏場の水遊びやレジャーによるもの?)

レジオネラ肺炎と肺炎球菌性肺炎の比較;
*は有意差ある項目

Legionella(214)
肺炎球菌(1346)
年齢*
58.2(13.8)y
66.4(16.9)y
男性*
76.6%
65.6%
喫煙歴*
72.8%
56.9%
アルコール依存*
39.3%
18.5%
15d以内の旅行*
7.4%
1.4%
COPD*
11.7%
29.9%
慢性心不全
19.2%
20.9%
DM
19.2%
20.4%
慢性腎不全
4.2%
6.4%
肝不全
4.7%
8%



喫煙歴や飲酒はレジオネラ肺炎のリスクになりやすく、COPDは肺炎球菌性肺炎で多い。
またレジオネラはやや若い年代に多い。

症状の比較
症状
Legionella(214)
肺炎球菌(1346)
体温*
38.5(1.5)
37.8(1)
HR≥100bpm
53.5%
56.1%
RR≥30
46.2%
50.6%
頭痛*
40.7%
13.9%
関節痛/筋肉痛*
43%
16.7%
咳嗽*
66.2%
88.5%
意識障害
16.8%
15.7%
来院時敗血症性ショック*
2.4%
12.4%
膿性喀痰*
40%
60.4%
胸膜痛*
23.9%
53.7%



頭痛や関節痛など呼吸器外症状はレジオネラで多い。意識障害は有意差無く, 敗血症性ショックは肺炎球菌性肺炎の方が多い。
膿性喀痰や胸膜痛、咳嗽など呼吸器症状は肺炎球菌性肺炎で多い。

血液検査、画像検査
Lab
Legionella(214)
肺炎球菌(1346)
呼吸不全
61.2%
63.9%
WBC≥12000/µL*
49.1%
68%
AST≥40UI *
71.3%
35.1%
ALT≥40UI *
65.7%
27.5%
Alb<3.0g/dL *
61.4%
52.9%
Na <130mEq/L *
26.7%
10.4%
Multilobar pneumonia*
40.4%
33.2%
胸水貯留*
14.6%
20.7%



肝障害、低Na、低Albはレジオネラ肺炎で多い。
呼吸不全の頻度は同等。

 >> 呼吸器症状に乏しく、呼吸器外症状が多い割に、呼吸不全という点がレジオネラっぽいと言ってもよいのかもしれない。

2013年1月5日土曜日

抗CCP抗体陽性の間質性肺炎

80台男性。1週間の経過の呼吸苦、咳嗽あり。
画像所見では両側下肺、末梢優位のスリガラス影あり、Cellular NSIPととれるような所見。
SLE、SSc、皮膚筋炎、RAといった膠原病を示唆する身体所見も一切無し。

自己抗体はANA含めて全て陰性だが、抗CCP抗体が60IU(正常値~4IU)と上昇。RFは弱陽性程度。

RAの所見は一切ないが、抗CCP抗体が陽性の間質性肺炎。
これはどう解釈すべきか?
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RA所見が全くないが、抗CCP抗体陽性のOrganizing Pneumoniaで、
8ヶ月後にRA所見が出現したCase reportが国内からあり、RAに先行する間質性肺炎もありえるのは確か。(Inter Med 49: 1605-1607, 2010)

抗CCP抗体陽性だがRAを含め、他の膠原病の所見を認めない間質性肺炎、気管支病変(+)の74名の解析
(Respiratory Medicine 2012;106:1040-47)
CCP抗体価を弱陽性、陽性、強陽性で分類;
 正常値 <20IU、弱陽性 21-39IU, 陽性 40-59IU, 強陽性 ≥60IU
患者のベースライン;
CT所見;
気道病変のみのパターンが最も多い。ILDや気道病変+ILD例、肺線維症、肺気腫例ではCCP抗体価も高い傾向にある。

この74名をフォローし、RAを発症したのは3名のみ。
しかも抗CCP抗体 強陽性群からだけで、弱陽性、陽性群からはRAは発症しなかった。
強陽性群33名中、3名が発症。発症までの期間は449日[328-579]
発症した3名の抗CCP値は其々 175IU, 136IU, 92IU,
リウマチ因子値は其々 366IU, 陰性, 718IUであった。
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このStudyからは、抗CCP抗体が陽性のILDがRAの初発症状である、とは言い難い印象。
そもそも
 無症候の患者群で抗CCP抗体を測定することが通常なく、臨床的意義が不明
 原因不明の関節痛、関節炎群では測定する価値があることは分かっている。
 抗CCP抗体は原因不明の関節炎群において、3年以内のRA発症を感度50%, 特異度97%で予測可能(Arthritis and Rheumatism 2004;50:709-15)というデータがあるのみ。

 もうすこしデータが集まらないと何とも言えない感じ。