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2012年6月26日火曜日

朝レク Volume Statusの評価

頸静脈所見は心不全のスライド参照


2012年6月23日土曜日

前壁心筋梗塞か、早期再分極か


Ann Emerg Med. 2012;60:45-56.

前璧誘導の早期再分極は若年者で多いが,しばしばSTEMIとの鑑別が問題となる.

カテーテルで確定した前壁STEMI患者で, 以下を除外した群と
V2-V4全てで1mm以上ST上昇を認める早期再分極群を比較

STEMI患者の除外項目


STEMI群の除外患者


脚ブロック
下に凹ではないST上昇パターン
Terminal QRS distortion*
ST評価が困難な心電図
II, III, aVFST1mm以上低下
V2-V4のいずれかでQ波あり
明らかなSTEMI(ST>5mm)
前壁ST低下
V2-V6のいずれかでTerminal T inversion



* Terminal QRS distortion; QRSがS波やJ波がなく, スラー状にそのままSTに繋がる所見. STEMIの所見で認められる.

簡単に言うと, 前壁STEMI患者で, 『明らかにSTEMIだろう』という所見が無く, 早期再分極に類似した心電図を呈するSTEMI vs 早期再分極心電図を比較したStudy.

STEMIはDerivation群で60名,Validation群で83名を評価.
早期再分極は,Derivation群で70名, Validation群で101名を評価.

Outcome; 
 Derivation群の比較では, 以下の項目で有意差あり
V3誘導のJ点から60msの時点でのST上昇(mm)
V4誘導のR波高(mm)
QTc(ms)

V1T > V6T

[1.196 x ①] + [0.059 x ③] - [0.326 x ②] の式を用いて,
>23.4でSTEMIを示唆. 
≤ 23.4で早期再分極によるST上昇を示唆
Group
感度
特異度
LR+
LR-
Derivation
92%[82-97]
89%[79-95]


Varidation
82%[72-90]
92%[85-97]


Total
86%[79-91]
91%[85-95]
9.2[8.5-10]
0.1[0.8-0.3]
>35歳群
87%[80-92]
87%[79-92]


≤35歳群
75%[35-97]
98%[91-100]




他の要素のLR;

覚えるの大変だからブログにのせておいた。
個人的に面白いなぁとおもうStudy by高岸



2012年6月22日金曜日

乳酸とアニオンギャップ

『アニオンギャップから乳酸値を推定する』

乳酸値 ◯mg/dL → ◯/9.08 mmol/Lなので,
 乳酸値 9mg/dLあたり, 1mmol/L ⇒ アニオンギャップは1上昇する

他に原因の無いAG開大性代謝性アシドーシスでは上記方法で乳酸を推定可能です。

検査機によっては mmol/Lで表示されるものもあり、その場合は計算の必要は無し.
乳酸値の測れない施設では活用をしてください。


『上記の応用で、ケトアシドーシス患者でのケトン値の推定』

ケトアシドーシスの患者では、大体乳酸も上昇してます。
DKAならば尿ケトンの感度は99%なので、尿検査でケトンが上昇していることが分かりますが、
AKA(アルコール性ケトアシドーシス)では尿ケトンの感度は45%程度なので、
尿ケトン陰性 = 除外可能という訳にはいきません。


その理由は尿ケトンはAcetoacetateを検出する検査であり、
DKAではBOHB : Acetoacetate(AcAc) = 11:1で上昇する一方,
AKAでは19:1で上昇するので、AKAではAcAcが少ない為です。

では、AKAの症例でケトンの血中濃度を測り忘れたとき、どうやってそれを証明するか? 


アニオンギャップから乳酸上昇分の開大を差し引いて, 残った開大分がケトンによるものと考えます。

例; AG 22のAG開大性アシドーシスで乳酸値が90mg/dLの場合、
 乳酸によるAG開大部分は10なので、22-10=12 → 正常AG.
 このAG開大性アシドーシスは乳酸アシドーシスのみで説明可能

例2; AG 30のAG開大性アシドーシスで乳酸値が90mg/dLの場合、
 乳酸によるAG開大部分は10なので、30-10=20 → まだAGが開大.
 その開大している20-12=8 が、おそらくケトンによる上昇.
 ケトン1000pmol/Lあたり、AGは1開大するので、
 AG開大 8 → 8000pmol/Lのケトンがあるという推測が可能。

IST-3 trialをふまえたt-PAのメタアナリシス


Lancet 2012; 379: 2364–72

脳梗塞発症6時間以内のt-PAを評価した12 RCTsのメタ。
2012年5月に発表されたIST-3の結果を含む。N=7012.

発症7日目のアウトカムは,

IST-3と同じく, 発症早期では出血による死亡リスクはt-PA群で増加するという結果。


ただし, 発症7日〜フォローアップ終了までの死亡率はPlacebo群の方が高く,
最終的な死亡率は同等.
神経学的予後良好(mRS 0-2, 0-1)なのはt-PA投与群となる.


発症3時間以内か、3-6時間かで分けたのが上表。
発症3時間以内は生存+神経予後良好(mRS0-2)は有意にt-PA群で良好だが, 3-6時間での投与集団では有意差無し。しかも3-6時間群では死亡リスクも上昇する傾向(有意差は無し)


脳出血のリスクは3時間未満、3-6時間群でも4倍近くなる。


80歳以上でも3時間以内であればt-PAによる予後改善効果が期待できる。
やはり3-6時間は意味が無い.


数字のまとめ。1000人治療したら何例アウトカムが増える(減る)か。

3時間未満と3-4.5時間と4.5-6時間の3つで区切って解析してほしいなぁ。

2012年6月21日木曜日

市中腎盂腎炎の治療期間は7日でOK


Lancet 2012;online first.
Ciprofloxacin for 7 days versus 14 days in women with acute pyelonephritis: a randomised, open-label and double-blind, placebo-controlled, non-inferiority trial より

18歳以上の女性例の市中腎盂腎炎(疑い) 248名のRCT
CPFX 500mg bid 7日間投与 vs 14日間投与群に割り付け, 治癒率を比較.

デザイン;
最初の7日間はOpen-label, 7-14日はDouble-blind(Placebo vs CPFX)

患者は腎盂腎炎疑いの段階で割り付けられ, 後に腎盂腎炎ではないと判断された場合、CPFXに耐性の菌が原因の場合は除外された。

アウトカムの評価;
治癒率とは臨床症状の改善と再燃がないことで判断.
短期治癒率はCPFX終了後10-14日目での評価とし, 両群でCPFXが終了する期間が異なるため, 患者は全員17-21日目, 24-28日目の2回評価した.
また、長期治癒率は42-63日目での評価.

アウトカム;
248名中, 最終的に評価されたのは156名(62.9%)
除外理由は以下の通り

母集団のBaselineは,
両群の治癒率の比較;


7日投与群と14日投与群で治癒率は同等.

また,

血液培養陽性群 vs 陰性群の比較では, 両者で治癒率は同等
(陽性群 95% vs 陰性群 97%, p=0.412) 
血液培養陽性群のみで, 7d投与群 vs 14d投与群の比較でも, 治癒率は同等
(7d投与群 94% vs 14d投与群 96%, p=0.623)

血液培養陽性でも7日でOKという点は面白い。by 高岸

2012年6月20日水曜日

てんかん部分発作に対するゾニサミド vs カルバマゼピン


Lancet Neurol 2012; 11: 579–88

18-75yrの新規診断されたPartial seizure 583名のDB-RCT.
過去2回以上の発作あり, 抗てんかん薬未治療 or 2wk未満の治療期間,
明らかなFocusが不明な全般性痙攣(1年以内に2回)も対象.
Phase 3 trial, 患者, 治療者, スポンサー, 中間データはBlindされている


Zonisamide vs Carbamazepinに割り付け, 再発, 副作用を比較
 Carbamazepin 200mg/dより開始, 400-1200mg/dで維持.



 Zonisamide(エクセグラン) 100mg/dより開始. 200-500mg/dで維持
 
母集団のてんかんタイプ, 原因
てんかん原因
Zonisamide
Carbamazepine
てんかんタイプ
Zonisamide
Carbamazepine
不明
69%
66%
Simple partial with motor signs
9%
12%
脳構造障害
20%
22%
Simple partial without motor signs
13%
15%
頭部外傷
5%
10%
Complex partial
41%
37%
家族歴陽性
4%
3%
Secondarily generalized tonic-clonic
60%
56%
その他
2%
<1%
Generalized tonic-chonic
13%
13%

Outcome; 追跡率は78.2%
 用量調節後26wk発作(-)場合にその量を維持量としてさらに26wk継続する。
 26wk時点でのSeizure Freeはゾニサミドで79.4% vs 83.7%


 26wk, 52wkにおいて, 両者でのSeizure-free rateはCarbamazepineで低い傾向はあるものの, 有意差無し.


副作用頻度, 重症度, 中断率も両者変わらず。

腎生検時の合併症

最近当科でも腎生検をすることがありますので、頻度くらいは押さえておきましょう。


Am J Kidney Dis. 60(1):62-73.
腎生検時の出血を評価した34 trialsのMeta(N=9474)
エコーガイド下で生検針を用いた方法.

合併症頻度,
合併症
頻度(%)
肉眼的血尿
3.5%[2.2-5.1]
輸血
0.9%[0.4-1.5]
アンギオによる止血
0.6%[0.4-0.8]
腎摘出
0.01%
膀胱閉塞
0.3%
死亡
0.02%


ちなみに, 輸血のリスクとなる因子は,

14Gの針を使用 vs 16-18G; 2.1%[0.9-3.8] vs 0.5%[0.1-1.0], (p=0.009)
血清Cre ≥2.0mg/dL; 2.1% vs 0.4%, (p=0.02)
Trialの≥50%が女性; 1.9% vs 0.6%, (p=0.03)
Trialの≥10%がAKI; 1.1% vs 0.04%, (p<0.001)
輸血頻度
頻度(%)
14Gの針使用
2.1%[0.9-3.8]
16Gの針使用
0.4%[0.0-1.4]
18Gの針使用
0.6%[0.1-1.5]
抗血小板薬中断7日以上
0.5%[0.1-1.3]
抗血小板薬中断7日未満
0.7%[0.1-1.8]
血清Cre ≥2mg/dL
2.1%[0.9-3.8]
血清Cre <2mg/dL
0.4%[0.0-1.3]


肉眼的血尿のリスクとなる因子は無し. by 高岸