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2022年7月14日木曜日

トシリツマブの憩室炎リスク, 消化管穿孔リスク

 (Rheumatology 2022;61:953–962)

RAにおける腸管穿孔リスクは0.2-1.2/1000pt-yの頻度であり, 非RA患者と比較してリスクは高い(HR 1.5[1.1-1.9])

・生物学的製剤の使用前は主にNSAIDの使用による上部消化管穿孔が主であったが, 最近の研究では80%が下部消化管穿孔であった.

・リスク因子は年齢や併存症, GCやNSAIDの使用, 憩室炎の既往.


 また, TCZの使用がリスクとなる報告も多数ある.
 

 TCZ vs csDMARD: HR 4.5[2.0-10.0] (Ann Rheum Dis 2017;76:504–10)
 

 TCZ vs TNFi: HR 2.5[1.3-4.9] (Arthritis Rheumatol 2016;68:2612–7.)


フランスの3つの前向きObserational registries(AIR, ORA, REGATE)において, RA患者におけるTCZ, RTX, ABT治療と, 憩室炎や腸管穿孔のリスクをPropensity score matched analysisを用いて評価.

・対象患者は18歳以上のRA患者で,
 RTX, ABT, TCZ(全てiv投与)を受けている患者群

・憩室炎や消化管穿孔は, ABT, TCZの最後の投与から3ヶ月以内に発症したもの, RTXでは6ヶ月以内に発症したものを関連性ありと判断.


アウトカム

憩室炎や消化管穿孔のリスク

憩室炎はTCZ群で, RTX群よりも発症リスクが高い.


 消化管穿孔はTCZはRTXやABT群よりも高リスクとなる

 
(vs RTXでは憩室炎関連の穿孔, vs ABTでは消化管穿孔全体)


憩室炎のリスク因子

・高齢者, TCZ, GC投与量がリスクとなる.


消化管穿孔のリスク因子

・全体では高齢者やGC投与量がリスク因子となる.


 TCZ使用群では腫瘍の病歴, RTX使用群では喫煙がリスク.