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2022年1月6日木曜日

本の感想: サイカイアトリー・コンプレックス

 献本御礼

サイカイアトリー・コンプレックス 尾久 守侑先生



総合診療や一般内科, リウマチ膠原病医として, 不定愁訴, 不定疼痛, 抑うつや気分障害, せん妄・・・などなど, そういった症状や病態はよく診療する機会が多い.

「こういった症候は得意です! どんどん紹介してください!」 と自信を持っていえるような性格ではないし, そういうとホントめっちゃ集まるので, 表立っては言わないが, 実は得意な方だと思う.

得意と思い始めたのもここ最近で, 数年前まではこのような患者さんが受診する日の外来は結構憂鬱であった.

エビデンスはないし, あっても適応できる症例はあまりないし, 工夫して, うまくいったり, いかなかったり, うまくいったと思ったら, また悪くなったり...

それでも色々試し, アプローチを変えて, 今は一つの「自分のやり方」が出来上がっている.
出来上がると, それを軸に 他の人の方法や知識を得て, さらに発展させるようになる.

患者さんが良くなる, うまくマネージメントできる割合も増えてゆき, そうすると面白くなる. 
自分で得意だと思えてくる. だけど、あまり表立っては言わない(笑)


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この本は そんな立ち位置の自分にとってはかなりハマりました.
おそらく自分よりもはるかに多く, そして重度の症例を診療し続け, それで構築された経験知をもとに, 症例ベースで非常にわかりやすく説明してくれている本です.

「自分のやり方」にさらに新たな側面や方法を追加してくれるような感覚がありました.


「○○ という症状には ▲▲を処方する!」

という知識を求めている人は, そもそもそんな診療はこの領域にはないし,
そう思っている, それがあると信じている時点で未だ入り口にも立ててないと思います.

四苦八苦しながら, 失敗も経験しながら, それでもなんとか不定愁訴やら マルチモビディティの一部である精神, 気分障害を診ている人にはとてもよい気づきとなると思います.


また, 「Part 1 診療感覚を練磨する」 は色々な意味で刺さりました. 
一言でいうと診断や診療におけるバイアスには注意しろよ、ということですが、
気づけないからバイアスであって, それを改めて文章にし, 読むと反省する点が多くあります.

ここは定期的に読んでもいいのではないかな、と反省しながら思いました.

まあ、大体自覚してるんですが.