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2021年12月16日木曜日

ワクチン投与時のDMARDs 薬剤調節

 メモがてら:

Impact of disease-modifying antirheumatic drugs on vaccine immunogenicity in patients with inflammatory rheumatic and musculoskeletal diseases

Ann Rheum Dis 2021;80:1255–1265. 


DMARDsのワクチンへの影響は以下の通り:

・MTX, ABA, RTXはワクチンへの影響が顕著.


これを踏まえた, 各種ワクチン接種時の投薬調節推奨

ワクチン

ワクチンの推奨

DMARDの調節

インフルエンザ

全患者に毎年4価ワクチンを推奨
65歳以上ではHigh-doseを推奨
免疫抑制状態ではHigh-doseを考慮

RTX: RTX開始前に投与. 最終投与から6ヶ月以上開けて, 次回投与の4wk以上前に投与する
MTX: ワクチン後2週間は休薬する

肺炎球菌

免疫抑制状態の患者全例で推奨
PCV13(プレベナー®) → 8wk以降にPPSV23(ニューモバックス®)
PPSV23は5年後に再投与

RTX: RTX開始前に投与. 最終投与から6ヶ月以上開けて, 次回投与の4wk以上前に投与する
MTX: ワクチン後2週間は休薬する

帯状疱疹

50歳以上で推奨
Recombinantが使用できない場合は生ワクチンを使用する
リウマチ性疾患で高リスク群では推奨

RTX: RTX開始前に投与. 最終投与から6ヶ月以上開けて, 次回投与の4wk以上前に投与する

HBV

HBV感染リスクがある人で推奨

RTX: RTX開始前に投与. 最終投与から6ヶ月以上開けて, 次回投与の4wk以上前に投与する

HPV

一般的なガイドラインに準拠(各国)
特にSLE患者で推奨

RTX: RTX開始前に投与. 最終投与から6ヶ月以上開けて, 次回投与の4wk以上前に投与する

破傷風

一般的なガイドラインに準拠(各国)
特にRTX治療患者で推奨

RTX: RTX開始前に投与.

Yellow Fever

免疫抑制患者では避ける

禁忌


ワクチン

ワクチンの推奨

DMARDの調節

SARS-CoV-2

全ての人で推奨される

RTX: 最終投与からなるべく空けて投与. 次回投与から2-4wk前に投与する.

MTX: mRNAワクチン後1週間休薬. 単回投与ワクチンでは2週間休薬する.

MMF, JAK阻害薬: ワクチン後1週間休薬
ABA皮下注射: 初回投与前後1週間休薬(合計2週間), 2回目ワクチンでは休薬不要
ABA静注: ABA投与後4週間あけて初回ワクチンを投与. 投与後1週間あけてABAを使用する. 2回目ワクチンでは休薬不要
シクロホスファミド: ワクチン投与後1週間休薬


以下は投与調節不要
TNF, IL-6R, IL-1, IL-12/23, IL-23, 経口カルシニューリン阻害薬, Belimumab, AZA, SASP, LEF, HCQ, アプレミラスト, IVIG, PSL <20mg/d