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2021年7月7日水曜日

関節リウマチ患者における重大な感染症のリスク: RABBIT score

ドイツのRA患者のCohort, RABBITのデータを解析
重大な感染症合併リスクを評価した報告

(Ann Rheum Dis 2011;70:1914–1920.)

・2001-2006年にbDMARDまたはcsDMARDを使用開始した患者を導入し, 前向きにフォロー


・非抗TNF阻害薬による治療開始後の経過観察機関は除外.


 また, アナキンラの使用, ベースラインデータのみの患者も除外

・フォローにおける感染症合併リスクを評価

 抗TNF阻害薬に関連した感染症は, 感染症の発症から3ヶ月以内に使用している場合に定義(継続しているか, 3ヶ月以内のcsDMARDの切替例が含まれる)

対象集団

重大な感染症の頻度

・開始後2年間は抗TNF阻害薬でリスクは有意に上昇

 
3年目では有意差を認めない

開始後2年までの重大な感染症のリスク因子

・高齢者, 慢性肺疾患, 治療失敗回数>5回,

 
GC 7.5mg/d以上の使用


 抗TNF阻害薬の使用などは有意なリスク.

リスク因子による重大な感染症合併リスク

・GC量と抗TNF阻害薬の使用は強いリスク因子となる


このデータより, RA患者における重大な感染症リスクを評価するRABBIT scoreが提唱

RABBIT risk scoreの計算

https://biologika-register.de/en/rabbit/rabbit-risk-score-of-infections/

(Ann Rheum Dis 2014;73:1673–1676.)


Validation studies

RABBIT cohortの2009-2012年に登録された患者群で
前述のRABBIT risk scoreを評価.

(Ann Rheum Dis 2014;73:1673–1676.)

・1522例のRA患者においてRABBIT scoreを評価し,
 実際の重大な感染症の頻度と比較

・一致性は良好


RA患者1557例において,
 RABBIT scoreを評価したExternal validation

(Rheumatology 2021;60:2223–2230)

・ギリシャにおけるprospective RA cohort.


 RABBIT scoreによる重大な感染症リスクの予測と
実際の合併率(導入から1年以内)の相関性を比較した.

・重大な感染症の定義: 入院が必要な感染症, 抗菌薬IVが必要な感染症, 日和見感染症(VZVやTB含む).

・RABBIT scoreはデータが利用できた1359例で評価された.

・重大な感染症は38例.
2.3/100pt-y

観測された重大な感染症頻度と
RABBIT scoreにて予測されたリスク

・score 1-2ではリスクは予測よりも低い傾向
それ以外はおおよそ同じ感じ

このCohortにおける重大な感染症合併リスク因子

・罹患期間, 重大な感染症の既往, PSL ≥10mg/dの使用
糖尿病, 慢性肺疾患