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2021年7月19日月曜日

抗CCP抗体陽性, 滑膜炎(-)例におけるRA, 炎症性関節炎進行リスクは?

 (Rheumatology 2021;60:3156–3164)

筋骨格系の疼痛を認めるが, 臨床的滑膜炎所見(-),
 

且つACPA陽性例(第二世代)における,
 手指関節XP所見とその後の炎症性関節炎への進行リスクを評価.

・CCP studyの患者群を評価: 

 Primary careで, 腰痛や腱板腱炎, 手根間症候群など筋骨格系症状が認められた患者群において, ACPAを評価し, 陽性例(CCP+ at-risk)を前向きに炎症性関節炎(IA)発症までフォローしたStudy.

・IAは1箇所以上の滑膜炎所見で定義.

・ACPAは第二世代. <3ULNをLow, ≥3ULNをHigh titerとした.

・上記を満たす患者群において, 手指, 足XPを評価し,
骨びらんの有無とその後のIA発症リスクへの関連も評価.

・臨床的滑膜炎所見, DMARDsの使用/使用歴, IA診断が既にされている患者群は除外

母集団

・手足の疼痛はそれぞれ32%, 22.5%
早朝の強ばりは10分程度[0-30]

・ACPAはHigh-titerが7割
RF陽性は37.5%


アウトカム: 骨びらんの頻度

・CCP+ at-risk群において, XPにおける骨びらん所見は17例(4.1%)で認められた.
 

 手関節が2/17, MCP 4/17, PIP 4/17, DIP 4/17, 
 

 中足(TMJ) 1/17, MTP/IP 10/17と, 足指での所見が多い.

XP骨びらん(+)の17例において, IAに進行したのは
 7/17(41.2%)[フォロー期間中央値 132日(101-253)
]

 10/17(58.8%)はフォロー期間中央値 628日[327.8-2017.8]で進行を認めず.


アウトカム: IAへの進行リスク

フォロー期間中央値 336日[167-748]において, 
IAを発症したのは123/394(31.2%)

・このうちACR/EULAR 2010 RA分類基準を満たしたのは101例(25.6%).

・XPにおける骨びらんは, IA進行リスクとはならない: OR 1.00[0.30-2.90]


 3箇所以上の骨びらん: OR 0.85[0.08-8.72]

・XPとUS双方で骨びらんを認める場合はリスクとなり得る: 
OR 5.0[0.48-51.48] . 

 (USでも骨びらんを認めたのは5/17, IA進展例では4/7, 非進展例では1/10)