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2021年5月9日日曜日

MRSA菌血症±IEに対する, ダプトマイシン+ホスホマイシン

 (Clinical Infectious Diseases® 2021;72(9):1517–25)

スペインにおける多施設 open-label RCT.

・18歳以上でMRSAが血液培養より1セット以上陽性となり, 且つ感染兆候を認める患者群を対象.

・24h以内に死亡する可能性が高い群, 複数菌陽性例, 人工弁IE, 重度の肝障害(Child-Pugh C), NHYA III-IV, 好酸球性肺炎既往例, 他の抗菌薬の併用が推奨される状況は除外.

・上記患者群を, Daptomycin 10mg/kg/d IV + Fosfomycin 2g q6h IV群
 

 vs Daptomycin単独群に割り付け,

  
Uncomplicated bacteremiaでは10-14日間,


 Complicated bacteremiaでは28-42日間継続.

・治療終了後6週間後の治癒率を比較した.

Complicated bacteremia: 播種性感染症, 感染性血栓性静脈炎, 心内膜炎, 異物感染症で4日以内に抜去困難な場合, 抗菌薬開始後72-96時間以後も培養陽性が持続した症例で定義.


母集団, n=167

・IEは11-12%で合併.


アウトカム

・TOC(test of cure)は両者で有意差無いが, 併用群の方が多い傾向.

・Day 3-7における培養陰性化は併用群で有意に低い

・Complicated bacteremiaとなったのも有意に併用群で少ない結果

・副作用は併用群で多い

・死亡リスクは有意差無し


治療失敗の内訳

・培養陰性化が併用群では早く, 多い.

・副作用の面では併用群で多く, 中断率も高い.

治療中断の原因となった副作用

・心不全, 低Kや低Ca,
CPK上昇, 消化管症状が挙げられる.

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MRSA菌血症ではダプトマイシン+ホスミシンの併用でより早期に血液培養は陰性化が見込める. 長期間要請が持続し, Complicatedとなるリスクも低下させる.

一方で併用では副作用が多く, 特に心不全や電解質異常が問題となりやすい.