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2021年4月30日金曜日

抗CCP抗体が陽性となる疾患

抗CCP抗体(ACPA)は関節リウマチで陽性となる抗体として有名.

Assayには第三世代まであり, 

 第一世代のACPA 1 assayは感度が低く, すでに用いられていない.

 第二世代のACPA 2 assayは感度/特異度ともに改良されている

 第三世代のACPA 3も感度/特異度は良好. さらに, ≥40, 今後のRA発症を予測する因子にもなり得る.

 ACPA 2,3 assayIgGのみを評価するが, ACPA 3.1IgG, IgA双方を評価する.

参考(Arthritis Rheum. 2009 Nov 15;61(11):1472-83.)


このACPAは他の疾患でも陽性となるため, 注意が必要.

(Arthritis Rheum. 2009 Nov 15;61(11):1472-83.)のReviewでは,

・PsAやSLE, pSSといった他の自己免疫性疾患

・結核やHBVといった感染症 でも陽性となる.

 特に結核は要注意


Cedars-Sinai Medical Center(CSMC)において,


2016年-2017年に診療したACPA陽性例(抗CCP抗体3.1 assay) 281例の診断を後ろ向きに評価.

(Medicine 2021;100:16(e25558).)

・診断は最低6ヶ月以上フォローした上での診断.

・ACPA陽性例は, ≥20, <40のLow positive, ≥40のHigh positiveで分けて評価


ACPA陽性例のうち, 
RAは48%.


・他の自己免疫性疾患が19.9%,
 非自己免疫性疾患が26.4%

・Low positiveでは, 
それぞれ 24.8%, 31.4%, 40.0%.

 
RAは1/4のみ

・High positiveでは,
それぞれ 61.9%, 13.1%, 6.8%


ACPA陽性例で診断した疾患

・自己免疫性疾患では, SLE, pSS, PMR, UCTD, PsAなどなど.

・非自己免疫性疾患では, OA, 肺疾患(ILD, COP, HP, 喘息, 肺結節など), 悪性腫瘍(大腸癌, 乳癌, 肺癌, 甲状腺乳頭癌, DLBCL, VIPomaなど)

・他には繊維筋痛症, Gout, などなど


他にはブルセラ症でも陽性となる報告がある(Mod Rheumatol, 2014; 24(1): 182–187)

・62例の末梢関節炎を呈したブルセラ症患者と,
33例のRA患者, 42例の健常Control群で, 抗CCP抗体を測定

・陽性率は, ブルセラ症で13/62(20%), RA患者で26(78.8%),
健常人では1例のみ陽性であった.

・ブルセラ症で抗CCP抗体陽性で
あった13例のフォローでは
全例で陰性化.