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2021年2月2日火曜日

炎症性腸疾患における脊椎関節炎合併の有無を評価する質問票: DETAIL questions

炎症性腸疾患(IBD)と脊椎関節炎(SpA)はしばしば合併する.

日本国内のIBD 137例の解析では46(33.6%)SpAの症状が認められた

・32/46が男性例UC24/88, CD22/49 (Mod Rheumatol, 2015; 25(3): 435–437)

IBDにおけるSpA合併を評価する6項目の質問: DETAIL questionというものがある.

1.原因がよくわからない指やつま先, 他の関節の腫脹や疼痛があったか?

2.ソーセージのように指や足指全体が腫脹したことがあるか?

3.踵に痛みが生じたことがあるか?

4.外傷に関連しない3ヶ月以上持続する背部痛があったか?

5.朝や安静時に認め, 動くと改善する腰痛があるか?

6.腰痛で夜間目が覚めることがあったか?

(J Rheumatol. 2021 Feb;48(2):179-187.)


418例のIBD患者を対象とし, DETAIL questionを評価その後2週間以内に, 結果をBlindされたリウマチ膠原病医によりSpAの可能性を評価され, DETAIL questionの有用性を評価した報告.

・専門医により, 102(24.4%)SpAと診断.

 軸関節型が57%, 末梢関節単独型が43%

DETAIL questionSpA合併に対する感度/特異度

Q

感度(%)

特異度(%)

LR+

LR-

関節腫脹, 疼痛

69.6[59.7-78.3]

67.7[62.2-72.8]

2.16[1.78-2.65]

0.45[0.33-0.61]

ソーセージ指

27.4[19-37.1]

89.2[85.2-92.4]

2.55[1.63-3.99]

0.81[0.72-092]

踵の痛み

45.1[35.2-55.2]

86.3[82.1-89.9]

3.31[2.33-4.71]

0.64[0.53-0.76]

3ヶ月以上背部痛

77.4[68.1-85.1]

73.4[68.1-78.2]

2.91[2.36-3.60]

0.31[0.21-0.44]

朝や安静時の腰痛

82.3[73.5-89.1]

67.7[62.2-72.8]

2.55[2.12-3.06]

0.26[0.17-0.40]

腰痛で夜起きる

54.9[44.7-64.7]

85.4[81.6-89.1]

3.77[2.74-5.19]

0.53[0.42-0.66]

 特異度が高いのは踵痛と夜間の腰痛

 感度が高いのは慢性背部痛と朝・安静時の腰痛

3つ以上満たせば,  検査後確率は80%以上でSpAを合併する