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2020年6月12日金曜日

ヒトメタニューモウイルス

3月〜4月初旬にCOVID-19が注目され始め,
発熱外来でも保健所にPCRを依頼する前に一通りの呼吸器感染起因菌の迅速検査を提出する必要があった.
その際結構陽性となったのがヒトメタニューモウイルス.

小児で多い呼吸器感染症のウイルスであるが, 成人でもチラホラと陽性となり, 気になった.

そんななかで, 韓国からの報告

(Clinical Infectious Diseases® 2020;70(12):2683–94)
韓国のChung-Ang Univ. Hospにおいて, 2007-2016年に呼吸器疾患で入院, 検体を採取した23694例において, hMPVを評価.
・検体は鼻腔swab73.5%, 咽頭Swab 18.3%, 鼻汁 7.3%, 喀痰 0.6%, 気管支洗浄液 0.3%
・23694例のうち, 13871(58.5%)1つ以上の呼吸器ウイルスを検出.
 Rhinovirus 15.3%, 
 RSV 14.7%, 
 Adenovirus 11.2%, 
 PIV 7.8%, 
 hMPV 5.4%
 Influenza A 5.2%, 
 Enterovirus 4.3%, 
 Influenza B 3.0%, 
 bocavirus 3.0%, 
 coronavirus 2.3% 2007-2016年でのコロナの割合ってこの程度だった...


hMPVの特徴

hMPVは季節性が強く, ピークは4-5月
・ピーク時期では, hMPVの陽性率20-30%にまで上昇する.

小児で多く, 陽性となった1275例中, 1200例は小児(94.1%)

hMPV成人例 75例のデータ
 ・症状は主に咳嗽, 喀痰.
 発熱は半数程度. (入院患者であるため解釈には注意.)
・臨床診断は肺炎が84%, 気管支炎が8%
・肺炎球菌が48%, マイコプラズマが32%で陽性となり, 
 細菌感染合併例が多い


参考: hMPV小児例 1200例のデータ


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ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は4-5月の春期に流行する呼吸器感染ウイルス
流行期では2-3割を占める.

細菌性肺炎のきっかけにもなり, 成人例では重篤化することも.

毎年3月〜になると間質性肺炎の急性増悪も増加する印象があるのですが, そういうのにも一役買っているのかもしれませんね. 来年以降調べてみることにします.