イベルメクチンは基本的に200µg/kgを4回投与する.
2週間あけて2日間投与する方法
この方法と, 1回のみ200µg/kgを使用する方法を比較したPhase 3 trial
(Lancet Infect Dis 2019; 19: 1181–90)
ヨーロッパにおけるOpen-label phase 3 trial.
309例の糞線虫症患者を対象とし, 1回投与群 vs 4回投与群に割付け, 比較したRCT.
・患者は5歳以上, 体重15kg以上で, 糞線虫の流行地域以外に在住している.
・糞便よりS stercoralisが検出され, 血清学検査も陽性.
糞便より未検出の場合は血清学検査で強陽性
・除外: 妊婦·授乳婦, 中枢神経疾患, 播種性糞線虫症, 免疫不全,前年にイベルメクチン使用歴あり.
200µg/kgを4回投与群 vs 1回投与群に割付け, 12ヶ月後の排除率を比較
母集団
Studyは12ヶ月時点でのInterim analysisにて終了.
・4回投与群が1回投与よりも勝るという可能性は1%未満となったため
アウトカム
・12ヶ月時点でのS stercoralisの除去率
培養, PCR陰性, 血清学検査陰性化, またはIFATで2 titer低下, ELISAで2倍以上の低下を認めることで定義
・両群で効果は有意差なし
好酸球の推移
除去成功に関わる因子
・より除菌率が良好となる因子は, 皮疹(-), 好酸球増多(+)
・Nが少ないが, アジア人では除菌率が悪い可能性がある
副作用の比較
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播種性糞線虫症でなければ, 治療は1回投与でも効果は良好である.
しかしながらアジア人における排除率が他の人種と比較して悪く, 日本で適応するにはアジア人での評価は気にしたい.