ここでは, 膿性喀痰の増量やCRP≥4mg/dLで抗菌薬を使用することで, 治療失敗リスクが低くなる可能性が示唆された.
参考:
COPD急性増悪; どのような患者に抗生剤を使用すべきか?
今回NEJMより, CRPを指標とした抗菌薬使用の効果を評価したRCTが発表
外来におけるCOPD急性増悪治療において, CRPを指標としてAbx適応を決める群と, 通常の治療群に割り付け比較したopen-label RCT.
(N Engl J Med 2019;381:111-20. DOI: 10.1056/NEJMoa1803185)
・英国におけるGeneral medical practicesで, COPD急性増悪で紹介・受診した患者群を対象.
・40歳以上でCOPDを診断されており, Anthonisen criteriaを1項目以上満たす患者を対象
・通常の急性増悪治療に加えて, CRPを指標したAbx適応投与群 vs 通常の対応群に割り付け, Abx使用率や予後を比較.
・CRPは<2mg/dLではAbxは有用ではない可能性が高い
2-4mg/dLではAbxは有用かもしれない, 特に膿性喀痰がある場合
>4mg/dLではAbxは有用の可能性が高い という推奨のもと, 投与を検討.
・アウトカムは割り付け後4wk以内の抗菌薬使用頻度と, 2wk後のCOPDの症状変化(Clinical COPD Questionnaire, 10項目を 0-6点で評価. 低いほどCOPDに関連した症状が軽微)
母集団
アウトカム
・割り付け後4wk以内の抗菌薬の使用頻度はCRP指標群で有意に低い(57% vs 77.4%, OR 0.31[0.20-0.47])
・2wk後のClinical COPD questionnaireは有意にCRP群で低下(-0.19[-/033~-0.05])
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外来におけるCOPD急性増悪の管理で, 肺炎がなければCRPや膿性喀痰を指標として抗菌薬を投与を決める方法は, 抗菌薬使用頻度の減少に役立つ可能性がある.