Effect of Lung Recruitment and Titrated Positive End-Expiratory Pressure (PEEP) vs Low PEEP on Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome A Randomized Clinical Trial. JAMAより
中等症~重症ARDS患者1010例を対象とし, Lung Recruitment + High-PEEP群 vs Low-PEEP群に割付け, 比較.
・患者は発症72時間以内の中等症~重症ARDSで人工呼吸器管理が行われてる患者群を対象.
・<18歳, ここ2時間で昇圧剤使用量が増加している群, MAP<65mmHg, 高CO2血症が禁忌な病態(頭蓋内圧亢進や冠動脈症候群), 気胸, 皮下気腫, 縦隔気腫, 緩和ケア対象患者は除外
・割付前に患者はARDSNetのLow-tidal vol strategyに則り, FiO2 1.0, PEEP 10cmH2Oで3時間管理. その際血液ガスを評価し, P/F<200を確認.
対象患者を以下の2群に割付け
・Low-PEEP: ARDSNetの推奨通りのFiO2に対応したPEEP設定を使用.
・Lung recruitment + High PEEP: 神経筋ブロックを行い, 血行動態を維持しつつLung recruitementを行う. RecruitmentはPCモードで, PS 15cmH2Oに設定. PEEPを最初の1分間は25cmH2O, その後35cmH2Oで1分, 45cmH2Oで2分維持.
その後PEEPを23cmH2Oに減らし, VCモードに変更.
静肺コンプライアンスを評価しつつ, 3cmH2O/4分でPEEPを減量し(最低11cmH2Oまで), 最も良好なコンプライアンスを評価. その値+2cmH2Oで維持
P/F比が改善してくれば, 24時間この設定を継続した後に2cmH2O/8hの速度でPEEPを減量.
N=556の時点でRecruitementの方法を変更(25, 30, 35cmH2Oを1分間維持)
さらにPEEPの調節も3cmH2O/3分で減量するように変更された
・他の呼吸器設定は両者で統一. VCモードを使用.
母集団
アウトカム
・Low-PEEP群では有意に死亡リスクは低下
・High-PEEP群では呼吸器管理期間が短縮
しかしながら気胸やBarotraumaは増加
・High-PEEPでは7日以内の死亡NNH 15.6
Barotrauma NNH 71.4
また, 血行動態不安定となるリスクも上昇
サブ解析