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2017年4月14日金曜日

COPDでも呼吸機能検査は重要

Primary care physicianによる問診, 身体所見からの印象とスパイロメトリー結果の相関性を評価.
(The American Journal of Medicine (2015) 128, 629-637)
・COPD1年以上前に診断された患者群をCOPDを診療しているPrimary care physicianが評価しCOPDの重症度, FEV1を予測
実際の値との相関性を評価した.
実際のFEV1, 重症度は30%で一致, 41%でより軽症と判断していた.

カナダ, オンタリオで2005-2012年に診断されたCOPD 68898例の解析では, 診断前に呼吸機能検査をされていたのは41.2%.
(CMAJ 2017 April 10;189:E530-8.)
・患者は43歳以上で, 医師によりCOPDと診断された患者群
・COPDは以下を満たす場合に診断し, 呼吸機能検査の有無を問わない.
 35歳以上で, 過去2年以内にCOPDに由来する入院を1回以上か, COPDによる救急受診を3回以上している患者で定義.
・この定義では特異度95%, PPV 81%COPDを示唆する
・上記を満たす 68898例中, 診断前に呼吸機能検査をされていたのは41.2%

母集団:

アウトカム

呼吸機能検査施行群の方がより入院や死亡リスクが低い結果

特に3回以上の救急受診患者群において, 呼吸機能検査による予後改善効果が期待できる

治療内容の比較では,
・呼吸機能検査を行なった方が, より長期作用型気管支拡張薬の使用が多い
・呼吸機能検査を行わない場合, 軽症に見積もる可能性がある?
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COPDを臨床所見や病歴のみで診断する場合, 軽症に見積もり, その場合投薬が不十分で予後増悪につながる可能性がある.
やはり客観的に呼吸機能検査も併用し, 治療方針を組み立てるべきなのだろう.