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2017年2月10日金曜日

発作を起こしやすい喘息は?

Am J Respir Crit Care Med Vol 195, Iss 3, pp 302–313, Feb 1, 2017 より
喘息には発作を起こしやすいサブタイプがあるが, 明確な定義や特徴はまだ不明瞭.
・このサブタイプをExacerbation-prone asthma(EPA)と呼ぶ.

SARP-3 cohortにおいて, 1年以内の発作回数(ステロイド3日以上の使用を必要とする発作で定義)が0, 1-2回, ≥3回の3群に分類し, 比較
・また上記で有意差を認める因子をSARP-1,2 cohortでも評価した
  SARP(NHLBI Severe Asthma Research Program)
・患者は6歳以上で医師が喘息と診断した患者群を対象.
 高用量ICS + 他のコントローラーを3ヶ月以上使用している患者

SARP-3の709例中, 発作0回は294例, 1-2回が242例, ≥3回が173例

EPAに関連する因子

・副鼻腔炎, GERDの存在は有意なリスク因子となる
・また, SABA吸入後の改善度, BMI, 血中好酸球数もリスク.

他のCohortでの評価

・副鼻腔炎, GERD, BMI, Eo値は同じくEPAのリスクとなり得る.

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今の時点ではこれらの要素, EPAで治療が変わることはありませんが, 今後研究が進めば新たな分類, 治療推奨が変更となるかもしれませんね.

今は このような要素がある患者では注意しておこう, という認識で。