ページ

2017年1月18日水曜日

成人で診断された喘息の1/3が
一過性, もしくは喘息ではない

カナダの10都市で施行された前向きStudy.
(JAMA. 2017;317(3):269-279. )
・ランダムに電話し, 過去5年以内に喘息と診断された成人症例を抽出.
 長期全身性ステロイド使用, 妊婦, 授乳婦, スパイロメトリー施行が困難な患者, Bronchial challenge testが禁忌の患者(大動脈, 脳動脈瘤, 3ヶ月以内のMI, Stroke既往), 10 pack-years以上の喫煙歴がある患者は除外.

上記を満たす患者群でスパイロメトリー, 刺激試験を行い, 診断アルゴリズムに沿って再度喘息を評価.

・4回の受診により喘息に対する投薬を順次中止し, フォロー.
・最終的に1年後に再度評価を行い, 喘息の診断について評価.
・経過中に発作を来した場合は再評価を行う.

対象となった1026例中, 701例で同意が得られ, 評価.
・701例中203例(33.1%[29.4-36.8])で現在の喘息は否定された.
・12ヶ月のフォローにて最終的に喘息ではないと判断された症例は181例(29.5%[25.9-33.1])

両者の比較:
年齢や性別, 喫煙歴などは関係なし.

・診断にスパイロを使用された患者は本物が多い.
・ER医や呼吸器医師に診断されたものは本物が多い


持続性の喘息, 真の喘息である可能性に影響する因子

・Airflow testが診断時にされている場合は, 持続性の喘息の可能性が高い
・喘鳴を繰り返している場合も同様.
・専門医に診断されても, 本物の可能性をあげる訳ではない

"Current Asthma"ではないと判断された213例における呼吸器専門医による評価結果

-----------------------------
・成人で診断された喘息の1/3が一過性, もしくは喘息ではない他の疾患であった可能性がある.
・特に診断時に呼吸機能検査をされていない場合は要注意.
・そのような患者では再評価を行うことで, 不要な投薬を減らせる可能性がある.