リファンピシンとリファブチンはリファマイシン系の抗生剤で, 結核や非結核性抗酸菌症でコアとなる薬剤の1つと言える.
通常リファンピシンをよく使用するが, CYP3A4誘導による様々な薬剤との相互作用や副作用が多いため, 継続できない患者もいる.
副作用で継続できない場合, リファンピシンの脱感作療法を試すか, リファブチンへの変更, もしくは他のレジメを試すことになるが,
リファンピシンが副作用で継続できない場合, リファブチンで交差反応をきたすリスクはどの程度あるのか?
単一施設において, 2006-2010年に新規治療開始されたTB 2868例(非HIV合併例)を後ろ向きに評価.
(J Antimicrob Chemother 2014; 69: 790–796)
・このうち221例(8%)が副作用によりリファンピシンからリファブチンへ変更された.
・変更されたうち158(72%)は副作用なくリファブチンを継続.
47例(21%)は軽度の副作用, 16(7%)は重度の副作用(好中球減少, 肝炎, ぶどう膜炎)を発症し, リファブチンを中止する必要があった.
リファンピシンにて,
皮疹を生じた場合,
肝障害を生じた場合,
関節痛を生じた場合はリファブチンでも同様の副作用が出現するリスクが高い.
また, 女性例やHBV, HCV陽性例では副作用を生じるリスクが高い.
HIV合併TB症例において, リファンピシンによるDRESSを合併した88例中, リファンピシンの再投与でDRESS再発したのが19例.
・再投与時にはパッチテスト, Skin prick test, 経口チャレンジ試験を行い, 再投与を決める.
・19例中, リファブチンへ変更した6例の解析.
リファンピシン再投与での副作用は, 皮疹が6/6, 好酸球増多が5/6, 肝炎が4/6, 浮腫が3/6, 発熱, 低血圧, 下痢が1例
リファブチンに変更した6例全例でDRESSの発症は認められない結果.
リファンピシン→リファブチン変更時の交差反応リスクについてはまだ報告が多くはない.
皮疹, 肝障害, 関節炎といったDRESSでは十分な注意が必要と考えられるが, 副作用なく使用できる可能性も高い.
論文ないの言及はありませんが、SJSやTENではそもそもリファブチンへの変更も避けると思いますし、自分も避けますね...