(Lancet 2016; 387: 1921–27)
・患者は50歳以上でACRの1990年の診断基準を満たす群
・両群ともPSLを併用 (PSL 1mg/kg/dより開始し, 通常通りTapering)
8週までは0.1mg/kg/週で減量, その後0.05mg/kg/週で減量し, 12週で0.1mg/kg/dまで減量. 以後は1mg/月で減量する.
・アウトカムは12wk以内の寛解率(PSL 0.1mg/kg/dまで減量できた患者で定義)
・Tocilizumab + PSL群は20例(うち16例が新規発症)
Placebo + PSL群は10例(うち7例が新規発症)
母集団データ
・Tocilizumab群では8割がPSLを終了可能. 一方でPSL単独群では2割のみ
・Tocilizumab終了後は再燃リスクは上昇.
GiACTA trial: GCAに対するTocilizumabを評価したPhase 3 trial
(N Engl J Med 2017;377:317-28.)
・GCA患者(側頭動脈生検, 血管造影, CTA, MRA, PETで診断) 251例を対象とし,
・Tocilizumab 162mg/wk + PSL 26wkで減量群
・Tocilizumab 162mg/2wk + PSL 26wkで減量群
・Placebo + PSL 26wkで減量群
・Placebo + PSL 52wkで減量群 に割付け, 1年後の寛解率を比較.
・PSLは初回投与量20-60mg/dとし, ≥20mg/dの投与量はopen-label.
それ以下ではBlindとし, 減量を進める.
・再燃の定義は症状の再増悪, もしくはESRが≥30mmHgとなり, GCA以外の原因が否定されること.
・寛解は再燃を満たさず, さらにCRP<1mg/dLを満たすことで定義
母集団
・52wk時点での寛解維持率はTocilizumab投与群で53-56%とPlaceboと比較して有意に高い
・PSL投与量もTocilizumab投与群では有意に低く, ほぼ予定通りに減量もできる
・Placebo群では予定通りの減量は困難といえる.
副作用, 合併症
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現時点ではGCAの治療はPSLが基本で, MTXの併用で再燃リスクを軽減可能、という認識.
bDMARDとくにインフリキシマブは "no benefit"とされている.
MTXでもコントロール困難な場合の選択肢としてトシリツマブ(IL-6モノクローナル抗体)は有効な選択肢と言える.