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2016年4月13日水曜日

ICU患者(敗血症, 非敗血症)における二次感染症リスク

JAMA. 2016;315(14):1469-1479. より
48時間以上のICU管理を必要とした患者群を対象とした前向きコホート.
・入室後48時間以上経過して発症した感染症を二次感染と定義し, 敗血症例, 非敗血症例における二次感染症頻度と予後への関連性を比較.
・このStudy中, 対象ICUはSDD(selective decontamination of the digestive tract)とSOD(selective oropharyngeal decontamination)を比較したCluster-RCTも平行して行っている.

対象ICU入室例は3725例. 
2.3%は入室後24-48hで感染症を発症したため除外. 
3640例中, 1719例(47.2%)が敗血症であった

敗血症症例における二次感染症
敗血症 1719例中, ICUでの二次感染症発症は232例(13.5%)

・ICU入室〜感染症発症までの期間は9日間[6-13]
・多い感染フォーカスは呼吸器, カテーテル関連, 腹腔内.

二次感染症のリスク因子は,
重症例: APACHE IV 90[72-107] vs 79[62-98]
 SOFAスコア 8[6-11] vs 7[4-9]
・ショック合併 44.8% vs 32.2%
・基礎疾患 呼吸器疾患: HR 1.44[1.05-2.99]
・CVカテーテル使用: HR 2.63[1.53-4.53]
・人工呼吸器使用: HR 6.22[1.54-25.17]

入室からの期間と二次感染症のリスク
・入室1週間以降でリスクは高く, 高リスク状態が持続する

二次感染症の原因菌と, 入室〜の期間別の感染リスク

・早期から上昇するのは細菌感染. 特にグラム陽性菌の感染リスクが高い.
・ウイルスや真菌感染症リスクは徐々に上昇する経過.

敗血症症例における二次感染症
非敗血症患者における二次感染症は277/1548(15.2%)
・入室〜感染症発症までは4日間[3-7]
・感染フォーカスは呼吸器(48.4%), 血流感染(19.4%), 腹腔内(8.7%), 神経(7.9%), 皮膚(3.6%), UTI(1.6%), その他(10.4%)

入室からの期間と感染リスク
・入室初期から感染リスクは高い.

二次感染症の原因菌と, 入室〜の期間別の感染リスク


・敗血症症例と違い, G PosとG Negのリスクはほぼ同等で,ウイルス感染リスクは少ない.