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2016年2月29日月曜日

C. difficileの無症候性キャリア

C. difficileは抗生剤暴露患者や長期入院患者の発熱, 腸炎の鑑別で重要.
一部の患者で腸内に常在しており, 腸内細菌叢の変化に伴いトキシン産生株が増加し, 腸炎を発症する.

入院患者や施設入所者ではどの程度C. difficileが常在しているか?

入院患者における無症候性キャリアの割合

2010-2011年にBarnes-Jewish Hospitalに入院した, 下痢を認めない患者 259例で, 便培養, Toxinをチェック.
・78.8%[73.4-83.3]がCD陰性,
 15.4%[11.6-20.3]がToxigenic CD陽性 (無症候性キャリア)
 5.8%[3.5-9.3]がNontoxigenic CD陽性であった.
・無症候性キャリア vs CD陰性群の比較では, 年齢, 入院理由, CDIの既往濃霧, 施設入所の有無すべて有意差無し.
・無症候性キャリア 40例中1例のみその後CDIと診断された
(Clinical Infectious Diseases 2014;59(2):216–22)

149例の入院患者の評価では, トキシン産生株の無症候性キャリアは12%で認めた.
・無症候性キャリアの皮膚や周辺環境の汚染率は17%と症候性CDI患者と比較して有意に低い(83%)が, リスクはある.
(Journal of Hospital Infection 85 (2013) 155-158 )

カナダのケベック州における新規入院患者5232例の評価
・入院時の評価において, 無症候性のキャリアは4.05%で認められた.
・無症候性キャリアのリスク因子は, 
 12ヶ月以内の入院歴, ステロイド使用中, CDIの既往歴, トキシンBに対する抗体陽性例
(American Journal of Infection Control 43 (2015) 248-53)

2015年のReviewによるまとめでは, 
・入院時におけるCD陽性率は7-14%, 無症候性キャリアは4-10%程度
・入院中にCD陽性となるのは6-21%, 無症候性キャリアは3-14%程度
(Infect Dis Clin N Am 29 (2015) 13–28)


長期施設入所者における無症候性キャリアの割合

長期施設入所者におけるトキシン産生株キャリアを9 trialsのMeta-analysisにて評価
・無症候キャリアのリスクは14.8%[7.6-24.0].
・以前にアウトブレイク歴がある施設ではリスクが高い(30.1% vs 6.5%)
・キャリアのリスク因子は
 CDIの既往 OR 6.07[2.06-17.88]
 入院歴あり OR 2.11[1.08-4.13]
 抗生剤使用歴 OR 3.68[2.04-6.62]
(PLoS One. 2015 Feb 23;10(2):e0117195.)

無症候性キャリアでも周囲環境や皮膚への汚染リスクはある
CDI症例と無症候性キャリア患者における皮膚, 周囲環境への汚染率
・無症候性でもCDI患者と同等の汚染リスクはある.
(Infect Dis Clin N Am 29 (2015) 13–28)

CDI感染 >> 治療 >> 無症候性キャリアへの流れ
(Infect Dis Clin N Am 29 (2015) 13–28)
・CDIは菌量と毒素の量により発症するため, 治療で菌量, 毒素量が低下すればそれで治癒という判断となる. 除菌したわけでは無い.
・CDIの治療後, 約半数が無症候性キャリアへ移行する
・その後長期間かけて菌が消滅することもある.
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・入院患者の10%程度はCDキャリアの可能性がある.
・そしてその患者群の皮膚や周囲環境の汚染リスクは症候性CDIと同じくらいかも.
・CDI治療というのは菌量を減らすことであり, 除菌では無い.
 治療後も無症候性キャリアのリスクが高く, 周囲の汚染リスクはあると考えるべき

ということを意識すると, ちょっとは手洗いの励行になりませんかね。


2016年2月28日日曜日

バンコマイシンで副作用が生じ, テイコプラニンに変更した場合の副作用リスク

バンコマイシンもテイコプラニンもグリコペプチド系抗生剤であり, MRSAに対して使用される.

一般的にはバンコマイシンがよく使用され, 副作用で継続困難な場合にテイコプラニンを考慮することが多い(現在はリネゾリドやらダプトマイシンなどがあり, 使用頻度は低くなっていると考えられるが).

バンコマイシンで副作用を生じた場合, テイコプラニンでも副作用が生じるリスクはどの程度あるか?

VCMで副作用を生じ, テイコプラニンに変更した24例中, 14例(58.3%)がテイコプラニンでも副作用(+).
・その14例中の10例が血液系の副作用(8例が好中球減少).
・VCMの好中球減少の頻度は8/170(4.7%)であることを考えると, テイコプラニンでの血液系副作用の頻度は高いかもしれない.
(J Clin Pharm Ther. 2012 Jun;37(3):296-300)

VCM投与にて発熱, 皮疹, 好中球減少を認め, テイコプラニンに変更した117例の解析(台湾).
・VCMの副作用は, 発熱のみが24例, 皮疹のみが77例, 発熱+皮疹が8例, 好中球減少が8例
・VCMで副作用を生じた患者の12/117(10.3%)がテイコプラニンでも副作用あり.

副作用別にみると, 
 VCMで薬剤熱をきたした症例では, テイコプラニンでは薬剤熱や皮疹を生じる例があり,
 VCMで皮疹をきたした症例ではテイコプラニンでは同様に皮疹や, 薬剤熱, 好中球減少を生じる例がある.
 VCMで好中球減少を生じた症例では, テイコプラニンでも好中球減少となるリスクがある.
VCMで好中球減少を生じた8例中, 4例(50%)がテイコプラニンでも好中球減少を併発.
(Clin Ther. 2009 Sep;31(9):1977-86.)

VCMとテイコプラニンの交差反応についてはあまりデータがない.
その上で言えることは,
・VCMで副作用を生じた場合, テイコプラニンでも副作用を生じるリスクは1-5割程度
・副作用はVCMは皮疹や発熱が多いが, テイコプラニンでは血液毒性も強いかもしれない.
・VCMで好中球減少を呈した症例では, テイコプラニンでも好中球減少となるリスクが高いので, 変更するならば他の薬剤にした方が良い.

2016年2月26日金曜日

パーキンソン病と消化器症状, 腹痛

PDでは消化管症状も高頻度で認められる
・特に多いのが便秘であり, >50%で報告される
 身体活動の低下や抗パーキンソン病薬, 自律神経障害などが関連
・嚥下障害も30-50%で認められ, 様々な要因が関連する

43例のPD患者において, 消化管症状の頻度を評価
・平均年齢は72.2歳. 範囲は53-87歳
・PD診断〜の期間は6.3年[0.5-16]
・H&Y stage 2が56%, stage 2.5が12%, stage 3が18%, stage 4が14%
消化管症状の頻度
症状
頻度
嚥下障害
54%
悪心/嘔吐
21%
胸やけ
26%
便秘
76%
腹痛
13%
(J Clin Gastroenterol 1994;19(1):11-16)

初診時に腹痛を訴えた患者は6例(13%)
・その6例は内視鏡にて十二指腸潰瘍, 胃炎所見が認められる例, PBCを併発している例, 便秘を合併している例, 膀胱のスパスムがある例など.
・十二指腸潰瘍が治癒したあとも腹痛を訴える患者もおり, それらは最終的に腹直筋のスパスム, 収縮痛と判断された.
(J Clin Gastroenterol 1994;19(1):11-16)

PDでは腹直筋の筋収縮に伴う腹痛が出現する例がある
・国内からの2例の症例報告
 PDで腹痛を伴い, 疼痛時に腹直筋の緊張が認められる症例.
・疼痛は座位や歩行で増悪. 臥位で軽快する
・腹痛(-)群と比較すると, 腹直筋の肥大が認められていた.
・また腹直筋の肥厚や収縮は前屈姿勢を誘発していた.
2例の腹痛の性状
症状

初期から前傾姿勢や筋攣縮あり
1例のみあり
腹痛の部位
腹直筋の下部の疼痛. しばしば上腹部
疼痛の性状
強く引っ張られるような感覚
頻度
毎日
腹直筋の収縮
伴う
痛みの前に前屈姿勢となる
2/2
背部痛を伴う
0/2
臥位で腹痛は軽快
2/2
座位で腹痛は増悪
2/2
歩行で腹痛は増悪
2/2
(Journal of Clinical Neuroscience 19 (2012) 624–627)

PDでは自律神経障害による便秘やGastroparesisも生じる
Gastroparesisの詳細は別項参照(Gastroparesis)
 ① 20例の新規診断されたPDで未治療の群,
 ② 40例の進行PD(H&Y 3-4)で治療中の群
 ③ 20例の健常人Controlで胃内容物が半量となる時間を比較すると,
 ①では122分, ②では125分, ③では86分と有意に①, ②で延長. 
(J Neurol 2011;258: 421. )
・軽症PD(H&Y 1-2), 中等症(H&Y 2.5-3.0), 健常人で胃内容排泄時間(T1/2)を評価した報告では, 63分 vs 55分 vs 43分.
 PD患者では12-120分と幅があるのに対して, Controlでは29-61分であった
 L-dopaの有無では排出時間は変わらず
 排出時間と消化管症状に相関性は認められず.
(Mov Disord 2001;16:1041. )

PDにおける胃排出時間を評価した研究のまとめ
PD患者のT1/2は60-150分
・Controlでは40-110分程度.
・PDではT1/2は延長する. 軽症と中等症以上ではそこまで大きな差はない
(Parkinsonism and Related Disorders 18 (2012) 433)

PDにおけるGastroparesisでは, 経口投与した薬剤の吸収率や速度が変動するため, コントロールが困難となる可能性がある.
Delayed-on, wearing-off, on-off, no-on のリスクとなる
・胃液にはdopa-decarboxylaseがふくまれているため, L-dopaが胃内に長時間停滞すると, 分解され, dopamineとなる. dopamineは吸収されてもBBBを通過しない可能性がある.
・投薬への反応不良例や, 効果の変動, 症状の変動が強い患者ではGastroparesisの影響も鑑別に入れるべきである.
(Parkinsonism and Related Disorders 18 (2012) 433)

PD + Gastroparesisの対応
・ドンペリドン(ナウゼリン®): ドパミンD2受容体阻害薬.
 PDに対するL-dopaやドパミン作動薬が消化管症状や胃排出遅延を増悪させていることもあり, D2受容体阻害薬は有用かも.
 BBBの通過は無いため, 薬剤性錐体外路症状増悪のリスクも少ない
・モサプリド(ガスモチン®): セロトニン 5-HT4受容体阻害作用
 胃排出時間の短縮効果が期待でき, またL-dopaへの反応の変動の抑制効果がある.
(Parkinsonism and Related Disorders 18 (2012) 433)

2016年2月24日水曜日

Gastroparesis (UpDate)

Gastroparesis
(Medscape J Med 2008;10:16)

古典的には, 「機械的閉塞が無いにも関わらず, 胃排泄の遅延を来す病態」をGastroparesisと呼ぶ.
・糖尿病, 術後, 特発性が大多数を占める原因であるが, 他にも様々な原因が考えられる.
・膠原病では強皮症の消化管症状として有名.
・神経変性疾患ではPD以外にDLB, MSA等自律神経障害を伴う疾患で多い.
原因
頻度
原因
頻度
Idiopathic
35.6%
Parkinson
7.5%
(Postviral)
8.2%
膠原病
4.8%
糖尿病性
28.8%
小腸のPseudo-obstruction
4.1%
術後性
13%
その他
6.2%
・平均発症年齢は34yr. 82%が女性であった.
・米国では全人口の4%を占めるとされる.
・症状は軽度, 間欠的な悪心, 少量の食物摂取での満腹感, 嘔吐など.

補足) 胃の蠕動 (Southern Medical Journal 2007;100:281-6)
胃の蠕動運動は3回/min, 十二指腸は11-12/min
 胃壁のIterstitial cell of CajalによりPaceが形成されている.
 健常成人では胃内容物は90-120minで完全に排泄される.

最近の考え方としては, 
胃排泄障害の程度と症状, QOL障害の関連性は乏しく「胃の排泄遅延」による症状とする定義は考え直す必要があるかもしれない.
・具体的には, 「胃の神経筋機能の異常」による悪心, 嘔吐, 易満腹感, 上腹部痛, 違和感を呈する病態と考えるべき
機能性胃腸症(Functional dyspepsia)とオーバーラップしている.
 特に Postprandial distress syndromeが類似しているか
(Gastroenterol Clin N Am 44 (2015) 1–7 )

Gastroparesisのパターンとしては,
 胃の調節力の異常
 胃蠕動運動の障害に伴うもの
 幽門部の攣縮, 括約不全によるもの
 十二指腸の運動障害
 自律神経障害
 臓器の過敏症 といった機序がある
・症状に応じて, サブタイプで分類することもある

Gastroparesisの臨床症状
悪心, 嘔吐, 早期の満腹感が最も多い症状
・悪心 92-93%, 嘔吐 84-86%, 早期の満腹感 60-68%, 腹部膨満 75%
・腹痛も多く, 46-89%で認められる. 
・腹痛の性状としては以下の通り
腹痛の性状
%

%
限局性
76%
夜間の腹痛
80%
上腹部
36%
食事により増悪
60%
持続痛
28%
食事により軽快
15%
Burning, Vague, Crampy
64%


食欲減退には繋がらず, Gastroparesisの患者は肥満者が多い.
・DM患者では, 食事通過性が亢進, 減弱するため,  血糖コントロールが難しくなることもある

Gastroparesisの主要な症状
 Gastroparesis 393例を評価し, 最も重大な症状の頻度を評価
(Neurogastroenterol Motil. 2013 May ; 25(5): 427–e301.)

Gastroparesisによる腹痛の部位
(68例のGastroparesis(特発性 50例, DM性 18例)中, 腹痛は90%で認められた. 悪心は96%.)
(CLINICAL GASTROENTEROLOGY AND HEPATOLOGY 2010;8:676–681)

Gastroparesisの原疾患 糖尿病性のGastroparesis
基礎疾患で最も多いのはDM.
・DM患者の18%が消化器症状を訴える.
・長期のType 1 DM患者では27-58%で胃内容排泄遅延を認める.
・Type 2では30%程度.
・自律神経障害, 末梢神経障害, 心血管イベントとの相関がある.
・Intersitial cells of Cajal(ICCs)は平滑筋, 神経に連絡しており, 胃の蠕動運動に関連する. 
・DM患者ではICCsの減少を認めることが報告されている
・血糖値にも関連し, >270mg/dLでは胃からの液体排泄が遅延する
・血糖の改善とともにGastroparesisの改善を認めることもある

特発性Gastroparesis
患者の90%が女性で, 若年〜中年が殆どを占める.
・明らかな原因, Triggerがなく, 徐々に発症することが多い.
・一部では, Viral infection後に発症するものもある.
・Postinfectious idiopathic gastroparesisは予後良好で, 数年の経過で改善, 消失することが殆ど.
・Tetanus, Anthrax, Hepatitisワクチン後の発症もある
・ICCsの異常ではなく, 胃の筋症が原因とされる.
・一部では好酸球浸潤を認め, 炎症が関与している可能性も示唆.

その他の原因
Postsurgical; Vagotomy, 潰瘍に対するドレナージ, 悪性腫瘍術後の5%でGastroparesisを合併する
 Roux-en-Y法ではRoux stasis syndromeと呼ばれる
全体の25-30%が非DM, 非術後, 非IdiopathicなGastroparesis
 Gastric dysmotility; GI tractの全体, 広範囲の運動障害
 GERDの57%に胃排泄能の低下を認める.
 非閉塞性の膵癌の60%, 他の悪性腫瘍の数%でGastric stasisを認める
 他に, 放射線療法後, 萎縮性胃炎, 腹腔動脈閉塞, Crohn’s diseaseでGastroparesis様の症状を認める.

他の原因
Chronic intestinal pseudo-obstruction
Sclerodermaの40-67%でGastroparesisを認めるが, SLEや皮膚筋炎では少ない.
Amyloidosisも原因となる
慢性の便秘, IBS, Idiopathic megarectumでは19-64%でGastric Stasis(+)
Parkinson病は原因の7%を占める. 病気自体による機序,  使用する薬剤の副作用によるものの2つの原因が考えられる
CNS疾患; Stroke, 多系統萎縮, GBS, MSなど様々な原因.
肝疾患, 慢性腎不全も原因となり得る.
原因となる薬剤 (Southern Medical Journal 2007;100:281-6)
Opioid analgesics
抗コリン薬
TCA
Ca-ch阻害薬
Progesterone
Aluminum hydroxide antacids
Adrenergic-R agonists
Alcohol
タバコ, ニコチン
特発性と糖尿病性の比較:
特発性 254例, 糖尿病性 137例の症状頻度を比較
(CLINICAL GASTROENTEROLOGY AND HEPATOLOGY 2011;9:1056–1064 )
年齢, 性別, BMIの分布
特発性もDM性も女性で多い.
・年齢分布は2型DMでやや高齢発症が多い傾向.

発症年齢と症状の持続期間.
・感染症状が前駆症状として認められたのが10-20%程度
・特発性, DM性で変わらない

症状の頻度 

・特発性では腹痛が他より多く, DM性では嘔吐が多い

症状のOnset, 経過

・急性発症が約半数. 
・経過は慢性経過, 慢性増悪,  慢性経過で急性増悪を繰り返すパターンが1/3ずつ

Gastroparesisの診断 (Southern Medical Journal 2007;100:281-6)
Gold standardは固形食のシンチグラフィ
 99MTc sulfur colloid-labeled egg sandwichを用いて, 胃の通過性をシンチグラフィで評価.
 摂食後2,4hで評価し, 排泄性を診る.
2時間で60%以上, もしくは4時間で10%以上残存していれば胃の排出障害があると判断される
・4時間で11-20%の残存があれば軽症, 21-35%では中等症, 36-50%では重症, >50%では最重症と判断.

・正常でも排出までの時間は様々であるため, 短時間の評価だけでは不十分.
・また排出の遅延の程度と症状の相関性は弱い
・偽陰性が2-4割で認められる.
(Gastroenterol Clin N Am 44 (2015) 1–7)

Breath test
 nonradioactive isotope 13Cを摂取→十二指腸で吸収され, 13CO2となって呼気より排泄される.
Electrogastrography(EGG)
 心窩部に電極をセットし, Dysthythmia, Amplitudeを評価する方法

Gastroparesisの治療
胃排泄を亢進させる薬剤
薬剤
機序
Doseing
Metoclopramide
Dopamine D2-R antagonist
-5HT4-R facilitaion of acetylcholine release from enteric nerves
-5HT3-R antagonist
5-20mg qid
Erythromycin
Motilin-R agonist
50-250mg qid
Domperidone
Peripheral dopamine D2-R antagonist
10-30mg qid
Bethanechol
Muscarinic-R agonist
25mg qid
Pyridostigmine
Acetylcholinesterase inhibitor
30-60mg tid
Metoclopramideは胃排泄亢進に有用だが, 30%が副作用で中断. Dystonia, プロラクチン分泌, 倦怠感等.
 DomperidoneはBBBを通過しないため, 中枢性の副作用が少ないが, 心原性の突然死のリスクが高くなるとの報告があり, 推奨されない.

Evidenceは無いが, 他の制吐剤も効果が期待されている.
 症状の緩和に関与する可能性があるが, 原因にもなり得る為注意
Drug
胃排泄への効果
Dopamine antagonist
Prochlorperazine, thiethylperazine
様々
Muscarinic antagonists
Scopolamine
遅延させる
Histamine H1 antagonists
Dimenhydrinate, meclizine
遅延させる
Serotonin 5-HT3 antagonists
Ondansetron, granisetron
様々
Neurokinin NK1 antagonists
Aprepitant
遅延させる
Cannabinoids
Dronabinol
遅延させる
Tricyclic antidepressants
Amitriptyline, nortriptyline
遅延させる
Other antidepressants
Mirtazapine
Benzodiazepines
Lorazepam
Corticosteroids
Prednisone
生姜は弱い5-HT3 antagonistであり, 効果があるとされる.
他には上部内視鏡検査による幽門括約筋へのボツリヌス毒素注射, ペースメーカーの留置, 外科手術等も治療の選択肢として入る.