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2015年6月30日火曜日

心不全患者へのベータ阻害薬、目標心拍数は?

EFの低下した心不全患者ではACE阻害薬、もしくはARBの使用、
β阻害薬の使用により予後改善効果は示されており、Class I, エビデンスレベルAで推奨されている。(Circulation. 2013;128:1810-1852.)

このβ阻害薬の投与目標は投与量とすべきか、心拍数とするのか、という問題。

心不全に対するβ-blockerの効果を評価したRCTのMeta-analysis (23 RCT, N=19209) (Ann Intern Med 2009;150:784-94)
 β-blockerは心不全患者の死亡Riskを軽減(RR0.76[0.68-0.84])
各要素における死亡Riskの変化では, HRの低下のみが死亡Riskの有意な低下を示している.
 HR reduction; RR 0.82[0.71-0.94]/(-5bpm)
 β-blocker Dose; RR 1.02[0.93-1.10]/dose-up
 他, LVEF, NYHA, Af, 初期HR, Digoxinでは有意差認めない.
 心拍数の低下はLVEFの増加に繋がる
 ちなみに心拍数は安静時の評価。

EF≤40%を満たす心不全患者654例をフォロー
 初回評価時, 4ヶ月後評価において, β阻害薬使用量, 心拍数と予後への影響を評価.
 β阻害薬の投与量は予後に間連せず.
 安静時心拍数は予後への関連が認められた. 
(European Journal of Heart Failure (2012) 14, 737–747)

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EFの低下した心不全におけるβ阻害薬投与では、ただ投与すれば良いのではなく、心拍数を低下させることを目標とすべきということ。
ただし、直接心拍数での調節, Doseでの調節群を比較をしたものは無い
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では心拍数の目標値は?

1033例の心不全患者の解析より (Mayo Clin Proc. 2015;90(6):765-772)
 4.6±3.3年間フォローし, 46.1%が死亡.
 β阻害薬は87%で使用していた

心拍数と死亡リスクの関連を評価すると年齢により2パターンあることが判明
<75歳群では心拍数は低いほど死亡リスクも低下する
≥75歳群では心拍数が68bpmで最も死亡リスクが低く、それ以下、以上では死亡リスクが上昇。

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≥75歳の高齢者におけるEFの低下した心不全では、安静時心拍数 70前後を目標としてβ阻害薬を調節する。
<75歳の患者群では副作用が出ない程度に心拍数60、可能ならば<60bpmを目指す、というマネージメントが良いかもしれない。

このへんの目標値はまだエビデンスが少ない領域であり、今後のStudyで目標値は変わる可能性大
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