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2015年6月1日月曜日

デスモテプラーゼ

プラスミノーゲンアクチベーターで、フィブリンに特異的に作用する新薬デスモテプラーゼ。
南米に生息するチスイコウモリの唾液に含まれるものをベースで作成されたらしい、というのはさて置いて、フィブリンに特異的に作用するため、脳出血リスクが低いのが良い点。

DIAS-3 trial; Lancet Neurol 2015: 14: 575–84 
発症3−9時間の脳梗塞(NIHSS 4−24)のうちACA, MCA(M1,2), PCAの閉塞を認める患者492例を対象としたDB−RCT. Desmoteplase 90µg/kg vs Placeboに割つけ比較
 治療開始後12−24hでのCT, MRIで梗塞巣, 出血, 再灌流を評価
 90日後の神経予後良好群(mRS 0-2)を比較.

アウトカム
 90日mRS 0−2は両者有意差なし
 NHISS≥8の改善も有意差なし
 再灌流も有意差なし
 発症≤7hならば有意に投薬群で神経学的予後良好が多い
 脳出血リスクはPlaceboと同等

発症3−9時間の脳梗塞で使用しても脳出血はプラセボと有意差なし、という点が魅力的。
神経予後は有意差ないものの、≤7hでは有意に神経予後は改善する可能性がある。

アルテプラーゼよりも適応が広がる可能性があり、血管内治療に向かない患者では良い選択となるのかもしれない。
日本人を対象とした治験 DIAS-J(Safety and Tolerability of Two Doses of Desmoteplase in Japanese Patients with Acute Ischemic Stroke)も行われており、そのうち国内でも承認されると思われる。

出血リスクが少ないt−PA、もしかすると適応時間も拡大するかも。