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2014年2月10日月曜日

亜鉛の補充は肝性脳症を予防するかもしれない

Aliment Pharmacol Ther 2010; 32: 1080–1090
亜鉛はアンモニア代謝を促進する.
 また, 肝硬変患者の大半は亜鉛欠乏を合併しており, 亜鉛の補充にてアンモニア値を下げられる可能性はある.

79例の肝硬変患者を対象としたRCT.
 Polaprezinc 225mg/d + 通常治療群 vs 通常治療群に割り付け, 6ヶ月継続. QOLと肝性脳症Grade, Lab所見を比較.
 通常治療は蛋白制限, BCAA, Lactuloseを使用. 
 患者は通常治療を行っていても, 空腹時アンモニア≥70µg/dLで, grade 1-2の肝性脳症を繰り返す群.

 除外項目は, 禁酒困難, Alb<2.5g/dL, bil≥3.0mg/dL, grade 3以上のHEを繰り返す, 抗生剤使用, 鎮静剤使用, GI出血既往, シャント手術, 門脈体循環シャント, >80y, 他の脳症を合併.

polaprezinc; Zinc 51mg, L-carnosine 174mgを含有.
(ゼリカ新薬; プロマック®)

母集団;

アウトカム; 追跡率は>95%

亜鉛投与群ではアンモニア値, 肝性脳症エピソードは有意に低下する.
反応, 注意力, 集中力, QOLの改善も見込める可能性がある.

ただし, Open-labelであり, 検者の主観で評価する脳症エピソードやQOLはアテにならないのかもしれない.
また, 軽症の肝性脳症(Grade 1-2)のみであり, Grade IIIの既往がある場合や消化管出血例は含まれていない点も考慮しなければならない.

1日あたり110円程度.