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2014年2月10日月曜日

アスピリン使用中の患者でラクナ梗塞が生じたら, 抗血小板薬2剤とすべき?

SPS3 trialのpost hoc analysis (Neurology. 2014 Feb 4;82(5):382-9.)
SPS3 trialについてはこちら

SPS3 trialにおいて, 元々ASAを使用している際にラクナ梗塞を来した838名でASA+Clopidogrel vs ASA継続の2群を比較.

脳梗塞再発率は3.1% vs 3.3%, HR 0.91[0.61-1.37] (3.5年フォロー)と両者で有意差は無し. 
脳出血リスクも両者で変わらず.
消化管出血リスクは2剤療法で上昇するという結果.
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アスピリンを使用中の患者でラクナ梗塞を併発しても, アスピリン継続のみで問題無しという結果.
初期からアスピリン使用している患者の18%が症候性脳梗塞既往があり, 21%に虚血性心疾患の既往, 5%に末梢動脈疾患がある. それ以外はASAを使用している理由は不明.

それらの血管障害リスク(+)で且つASAを使用している群での解析は無いため, ASA使用患者のラクナではDAPTとする意味は無い, と言えるのかは不明であり, 高リスクではやはりDAPTを考慮すべきであろうと考える.

ではどんな患者群で考慮すべきか, これが今後の問題.