JAMA Intern Med 2013;173:1058-1064
急性の非代償性心不全患者75例を, 塩分制限+水分制限群 vs 制限無し群に割り付け, 体重変化, 臨床症状の変化を比較したRCT.
塩分制限; Na 800mg/d (塩分量にして2g/d)
水分制限; 800ml/d. 7日間 or 退院(<7d)まで継続.
Control群は通常の食事を摂取. (2.5L/dの水分と, Na 3-5g/d(塩分量7.6-12g)
患者はEF≤45%でBoston criteria score ≥8を満たす患者群.
ClCr <30ml/min, 心原性ショック, 基礎疾患で致死的な状態, 認知症で指示に従えない状態は除外.
母集団のデータ;
アウトカム; Baseline~Day 3での体重変化, 臨床的うっ血所見は有意差無し.
口渇感の自覚症状は塩分, 水分制限群でより高度となる.
薬剤使用量も両者で有意差無し.
制限群
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Control | p | |
利尿薬IV
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94.7% | 97.3% | >0.99 |
血管拡張薬
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26.3% | 18.9% | 0.58 |
強心薬
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1例のみ
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0例 | |
Loop利尿薬の量
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84.7[40.7]mg/d | 79.1[31.0]mg/d | 0.50 |
利尿薬IV→POへの移行時期
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4d[2.0-7.2] | 4d[2.0-7.0] | 0.97 |
Baseline〜退院時のLabも両者で同等.
Control群が実際どの程度水分摂取、塩分摂取をしていたかの評価が無く,
「心不全急性期で食事がとれていない」可能性は否定できない.
その場合は両群とも塩分, 水分摂取は少なくなり, 有意差がでないのはうなずける.
また、喉乾いたときに好きなだけ水分摂取が可能なControl群では口渇間も少なくて済む.
その点の評価が足りていないため, 本当に制限が必要ないかどうかはよくわからない.
まぁ、追試がでるまでは, そこまで頑張って制限しなくても良いかもしれない、という程度で捉えておくことにしよう.