(Clinical Microbiology Reviews 1989;2:278-84)
回虫の幼虫移行症であり, 生の魚の摂取により感染
寿司, 刺身, ロミロミなどで有名
Anisakis, Pseudoterranova, Contracaecum spp.の3種
アニサキスのLife cycle
⑥成虫は海洋哺乳類を宿主とする
(胃内に生息)
(胃内に生息)
①卵は糞とともに海中へ排泄.
②海中で2nd-stage Larvaeとなり,
③プランクトン, オキアミに捕食
④魚, イカがそれを捕食し,
⑤3rd-Lavaeとなる.
⑦その後ヒトに摂食されると,
Anisakiasisを発症するに至る
Noninvasive(luminal), Invasiveに分類
Noninvasive; 組織穿通を認めず, 無症候.
回虫が食道を逆行し, 喉頭へ戻る際に, ”Tingling throat syndrome”を来すこともあり
Invasive; 組織穿通を認め, 腹痛など症状を来す. Anisakis spp.で多く認められる.
日本国内のDataでは, (Med J Hokkaido 1988;63:376-91)
年間発症件数は1000/year
Gastric Anisakiasisi 91.7%, Intestinal 8%, その他0.2%(n=4682)
駆虫するには…
-35度で15hr, -23℃で168hr(7d)
-20度で3-5d
中心温度が+60度以上になるように加熱 10min
室温で駆虫するならば,
漬けるもの
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期間
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10%ホルマリン
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6d
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1% HCl
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112d
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お酢
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51d
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醤油
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1d
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ウスターソース
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1d
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症状
摂食後1-12hrで突如発症の腹痛, 嘔気嘔吐, 下痢, 蕁麻疹
摂食後6hr以内での発症が最も多く, <48hrでほぼ全例が発症.
症状は1-5D持続し, 慢性化することもある
70%でFOBが陽性となる.
診断は難しく, 誤診も多い. 半数以上で誤診を認める
国内の報告では, 60%で誤診; 虫垂炎, 急性腹症, 胃癌, イレウス, 胆石症, 憩室炎, 腹膜炎, 膵癌など (Am J Trop Med Hyg 1967;16:723-8)
他の報告では, Gastric Anisakiasisの86%で胃潰瘍, 胃癌, ポリープ, 胃腫瘍と誤診
Intesitinal Anisakiasisの52%で虫垂炎, イレウスと誤診(Prog Med Parasitol Jpn 1972;4:305-93)
診断方法
内視鏡検査; 除去も可能であり, 治療を兼ねる
画像検査; 侵襲部位の周囲, 限局性 or 全周性壁腫脹を認める.
偽腫瘍形成は36%で認められ, Gastric foldは35.4%で認めた.
それら所見は, 回虫除去後数日で消失している (JAMA 1985;253:1012-3) 18名の腸アニサキスの評価では, 17名に病変周囲の腹水を認めた (Radiology 1992;185:789-93)
アニサキスのLab data
アニサキス患者では血中Eoは様々
Case reportにより4-41%と様々(Clin Micro Rev 1989;2:278-84)
18名の解析では, WBC 4900-14100であり, Eo 0-8%(平均3.4%)と上昇は認めない.
腹水検査では, 好酸球増多が著明. (Radiology 1992;185:789-93)
好酸球活動性の指標, Eosinophil cationic protein
32名の評価では, Day 0で 16.3mg(2.6-45.8), Day 30で3.76(0.8-11.6)(Clin Microbiol Infect 2003;9:453-7)
IgEと異なり, 長期的な上昇が認めないが, 特異性は低下. また感度も十分とは言えない
免疫検査
様々な検査があるが, どれも確定的とは言えない
RASTが最もSn, Sp良好とされている.
Anisakisに対するIgE titerは感染後2-6moは上昇しており, Ascaris, ToxocaraとAnisakisとの交差反応も一部認められるため, 過去にAscaris, Toxocara感染を来した患者の場合はアテにならない
Ani s I protein特異IgEはAnisakiasis simplexに対するSn 86%, Sp 90% (Ann Allergy Asthma Immunol 2002;89:74-77)
番外編; 大腸アニサキスによる腸重積 (Intern Med 52: 223-226, 2013)
大腸アニサキスは非常に稀な病態. 0.1-0.9%
結腸の局所的な壁肥厚, 炎症を示し, 腸閉塞や腸重積の原因となり得る.
大腸アニサキスの半数が上行結腸.
腸重積は非常に稀で, 2013年までに国内の報告は4例のみ.(上行2例, 横行1例, S状1例)
原因食物摂取〜発症までは数時間〜2日間.
アニサキスと腸重積で調べると, 国内外の報告例は12例.
特に十二指腸の腸重積が6例と半数を占める. 回盲部が2例, 結腸が4例.
(World J Gastroenterol 2010 April 14; 16(14): 1804-1807)