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2012年10月4日木曜日

Henoch-Schonlein purpura(治療について)

関連
HSP(小児例)
HSP(成人例)

HSPの治療について (Current Opinion in Rheumatology 2010, 22:598 – 602)
HSPの大半は平均4wk程度で自然緩解する.
 1/3は再発するが, それも4-6ヶ月程度で消失する.

ステロイド[PSL 1mg/kg/d 2wk, その後2wkでtapering] は, 腹痛や関節痛の軽減には効果的だが, 紫斑や腎炎発症予防には効果無し.
2mg/kg/d 1wk, その後1wkでTaperingしたDB-RCT(N=40)では消化管症状, 腎炎予防効果は無し. (BMC Medicine 2004;2:7)

 少なくともステロイドは腎炎の"予防効果"は期待できない.

16y以下のHSP患者171名のDB−RCT (J Pediatr 2006;149:241-7)
 PSL 1mg/kg/d 2wk, 2wkでTapering vs Placeboで比較. 
 1,3,6mo後に評価. (Taperingは0.5mg/kg/dを最初の1wk, その後0.5mg/kg/2d.)

 Outcome; 腹痛, 関節痛軽減効果は期待でき, 腎症状(+)患者群では有意に腎症の軽減効果も認められる. (□ PSL, ■ Placebo)

まとめると, 
ステロイドは腎炎(+)患者群において使用価値がある薬剤と言える.
それ以外は腹痛, 関節痛の緩和効果も期待できるが, 腎炎の発症予防効果は証明されていないのが現状.

重症のHSP腎症に対するステロイドは推奨されるが, 他の免疫抑制剤の併用に関しても有効であるというEvidenceは無く, 小規模の報告にとどまる.
基本的にはステロイドのみで良いという結論となっている.
(Kidney International (2010) 78, 495–502)(Pediatr Nephrol (2009) 24:19011911)