Nicergoline サアミオン5mg錠 ®. 15mg/dの使用で1日100円程度.
脳血流改善薬との説明されており, 過去には多発性脳梗塞による認知患者における認知機能改善効果が認められたRCTなどあるが, どれも投与量が60mg/dと国内より高用量.
(Dement Geriatr Cogn Disord 1997;8:9-17, European Journal of Neurology 1999;6:313-322)
国内からの報告では, 脳梗塞後の患者に対するNicergoline 15ng/dはPlaceboと比較して血中Substance P濃度を上昇させるという報告があり, ACE阻害薬と同様に嚥下障害改善効果が期待されている(Cerebrovasc Dis 2010;29:194-198)
65歳以上の嚥下障害(+), 2年以内の肺炎の既往(+)を満たす60名のOpen-label RCT
イミダプリル(タナトリル®) 5mg/d vs Nicergoline 15mg/dに割り付け, 6ヶ月継続。
開始後4週間での嚥下機能評価, 6ヶ月以内の肺炎リスクを比較.
嚥下機能検査の結果;
NicergolineはACE阻害薬と同等の嚥下機能改善効果が見込めるという結果.
さらに嚥下機能改善を患者群別に比較してみると,
認知症(+)群, 脳萎縮(+)群, 寝たきり群ではACE阻害薬よりNicergolineの方が改善が見込める可能性がある.
残念ながら6ヶ月以内の肺炎の再発率は有意差は認められなかった.
認知症、寝たきり、という誤嚥性肺炎高リスク群においてはサアミオンもありなんだなぁ。1日100円。月3000円程度なら考慮しても良いし。
ただ、眼に見えるような劇的な効果は期待しない方がいいでしょうね。