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2012年5月22日火曜日

急性アルコール中毒 by 城Dr


急性アルコール中毒 Dynamed翻訳
【障害臓器】
中枢神経、腸管、肝臓、膵臓、心臓、筋肉、血液
アルコール中毒状態契機の外傷によってそれ以外の臓器も損傷

【罹病】
18歳以上300人を横断調査
●17.7%がアルコール依存、アルコール濫用状態
●49.3%は少なくとも一つアルコール濫用による臓器障害を持つ
故意でないアルコール多飲により死亡する率は0.1/10万人

【病理】
アルコール脱水素酵素がアルコールをアセトアルデヒドへ変換する。
この反応は2030mg/dl/hの速度
アセトアルデヒドは急速に浄化される

【合併症】
青年期の問題あるアルコール利用は成人してからのアルコール濫用、うつ、反社会性人格障害のリスク増加に関係している。そのほかのリスク因子は喫煙やアルコール中毒の父親だった。

【主訴】
50100mg/dl :判断力低下、抑制・協調性低下、感覚不全
100200mg/dl:行動変化、不明瞭発語、運動・バランス失調、認知障害
200300mg/dl:傾眠、平衡感覚障害、嘔吐、誤嚥、複視
300400mg/dl:昏睡、呼吸抑制、健忘、低体温、不整脈

【問診】
外傷の有無
飲酒量
その他の薬物乱用
離脱症状
意識状態の変化

【薬歴】多くの薬物がアルコールと相互作用を起こす

【身体所見】
vitalや外傷の徴候を確認。重症のアルコール中毒は頻脈性不整脈を引き起こす

【診断】
呼気や血液から飲酒量を測定

【除外】
アルコール離脱、アルコールによる幻覚
他の中毒:エチレングリコール、メタノール、イソプロピルアルコール、ベンゾジアゼピン、麻薬、一酸化炭素中毒、フェニトイン
代謝障害:低酸素、低血圧、低血糖、低体温、DKA、尿毒症、低Na、高Ca、肝性脳症
感染:敗血症、髄膜炎、脳炎
神経疾患;痙攣、痙攣後、Wernicke-korsakoff、脳卒中
閉鎖性頭部外傷:硬膜外血腫、硬膜下血腫、SAH、脳挫傷、脳震盪
入院中にイソプロパノール手指洗浄剤を経口摂取することで中毒になるcaseが報告されている

【血液検査】
血清浸透圧計算:2×NaBUN/3Glu/18+エタノール/5
アルコール中毒による血小板減少
血清FAEEs(脂肪酸エチルエステル)濃度は少なくともエタノール摂取後24h持続。

【治療】
アルコール関連痙攣を起こした場合はロラゼパム2mgsingle ivすることが有意義。再発を大幅に減少(48時間以内の再発3vs24%:NNT7.7)させる。
メタドキシン:ビボリブ 
・慢性アルコール中毒依存症治療薬、シアナマイドのような副作用なし
・急性アルコール中毒からの回復を早める
・メタドキシン300mgIVにより2時間後の臨床カテゴリーが改善(76.9 vs placebo 42.3% NNT3)。血中アルコール濃度は105.4mg/dl vs 60.1mg/dl 
効果がないもしくは悪化する薬剤:
ピリドキシン、フルクトース、フルマゼニル1mg(ただし25mg以上は効果あるかも)、ナロキソン、プロプラノロール40mg

【その他治療】
輸液
嘔吐などに対する対症療法
電解質補正
アルコールは急速に吸収されるため、胃洗浄の効果は限られる。
●2日酔い予防
・飲酒5時間前にサボテン(Opuntia ficus indica)抽出液を内服すると2日酔いがいくらが軽減されるかもしれない(ただし厄介でない症状の緩和程度。嘔気、食欲不振、口渇感など)

【予後】
アルコール中毒は事故、交通外傷のリスクを増加させる