JAMA. 2012;307(18):1959-1969 にて抗生剤関連下痢症に対するProbioticsのMetaがでました。
この分野に関しては、2006年にも、3つのMetaが出ており、
有意差を持って下痢の抑制効果を認めております。
下痢Risk
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対象
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参照
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RR 0.52[0.35-0.65]
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成人 meta
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Lancet Infect Dis 2006;6:374-82
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RR 0.43[0.31-0.58]
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成人 meta
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Am J Gastroenterol 2006;101:812-22
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RR 0.44[0.25-0.77]
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小児 meta
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J Pediatr 2006;149:367-72
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2006年のMetaでは16-25RCTsをまとめた物で、2006-2012年までに30以上の新しいRCTが出版された、
ということで、2012にこのMetaが出たという経緯。
このMeta-analysisでは82RCTsが検討され、63RCTs(N=11811名)で解析。2名のReviewerが関与。
結果は、2006年と同等、有意に予防効果がある。
抗生剤関連下痢症のリスクはProbioticsにて有意に低下
RR 0.58[0.50-0.68], NNT 13[10.3-19.1].
小児例のみ(16 trials)では, RR 0.55[0.38-0.80], NNT 11
18-65yr(14 trials)では, RR 0.54[0.34-0.85], NNT 13
高齢者(3 trials)では, RR 0.81[0.40-1.63], NNT 25
で, Probioticsに入っている菌種別の評価では、
Probiotics
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N
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RR
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NNT
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混合菌種
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25
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0.66[0.49-0.88]
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Bacillus
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2
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0.45[0.27-0.76]
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Bifidobacterium
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1
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0.93[0.53-1.66]
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Enterococcus
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3
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0.51[0.38-0.68]
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12
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Lactobacillus
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17
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0.64[0.47-0.86]
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14
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Saccharomyces
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15
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0.48[0.35-0.65]
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10
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と、菌種別の違いもさほどなし. 最も多く使用されているのはLactobacillus含有の製剤。
で、ここで日本で使用されている製剤はどんな菌種なのかと、みてみると(Googleで検索)
製剤
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ミヤBM
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Clostridium butyricum
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ビオフェルミン
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Streptococcus faecalis
Bacillus subtilis |
ビオフェルミン錠剤
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Bifidobacterium
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ビオフェルミンR
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Streptococcus faecalis
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ビオスリー
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Streptococcus faecalis
Clostridium butyricum Bacillus mesentericus |
ラックビー
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Bifidobacterium
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レベニン
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Bifidobacterium
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圧倒的にBifidobacterium含有製剤が多い。
このMetaではBifidobacterium単独製剤は僅か1 trialでしか用いられていないのに、、、
しかも、海外と国内の最大の違いは、その容量。
国内の製剤では、『製剤◯◯gに△△菌が××mg含まれている』 という書き方。
細菌が××mgって、、、どんだけ?
海外のTrialではほぼ △△菌が10のa乗 CFU含有という記載がされている。
なので、この結果をそのまま当てはめるのはやや不安ですが、仕方ないと言えば仕方ないか。
ちなみに、抗生剤開始後<72hrでの投与開始で効果が良いという記載もありますので、下痢生じてからの投与では遅いかも。
(AFP 2008;78:1073-8)(2013/8/8 update)
抗生剤関連下痢症の予防目的のProbioticsを評価したN=2941の大規模二重盲検化試験(PLACIDE trial)が発表されました.
(Lactobacilli and bifidobacteria in the prevention of antibiotic-associated diarrhoea and Clostridium difficile diarrhoea in older inpatients (PLACIDE): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial. Lancet 2013;online first)
PLACIDE trial; 65歳以上でAbxを使用された入院患者を対象
N= 2941名. ITT解析
65歳以上の入院患者で, 7日以内のAbx開始, もしくはこれから開始する患者が対象.
除外項目は既に下痢(+), 免疫不全患者, ICU患者, 人工弁(+), 3m以内のCDAD, 12m以内にIBDに対する特異的な治療を行っている患者群, 膵炎.
LactobacilliとBifidobacteriaを合計6x1010含んだ製剤を1回/d
vs Placebo群に割り付け, 21日間継続.
8wk以内の抗生剤関連下痢症と12wk以内のCDADの発症頻度を比較.
母集団と抗生剤使用状況
アウトカム;
抗生剤関連下痢症のみならず、Clostridium difficile diarrheaの頻度も有意差無し.
他の同様のStudyを含めたmetaでは有意差認めるものの,
最もNの大きい大規模RCTで有意差無しであった意義は大きい.
Probiotics投与時期が7日以内〜投与前まで様々な点で細かい評価が必要だが、その点のSub-analysisはされていない。