ページ

2015年2月18日水曜日

重症市中肺炎に対するステロイド

重症市中肺炎に対するステロイド
JAMA. 2015;313(7):677-686. 
市中肺炎でCRP>15mg/dLを満たす120例を対象として抗生剤治療に加えてmPSL 0.5mg/kg q12h投与 vs Placeboを比較したDB−RCT.
 ステロイドはmPSL 0.5mg/kg q12hを入院後36時間以内〜5日間継続
 
患者は≥18歳, PSI class VもしくはmATS criteriaで重症肺炎を満たす, CRP≥15mg/dLを満たす患者群を対象.
除外項目: 元々ステロイド使用歴あり, 院内肺炎, 免疫不全, コントロール不良のDM, 3ヶ月以内の消化管出血, 余命<3M, 他の理由でステロイドが必要となる患者群.

母集団データ
アウトカム
早期(0−72h)における挿管、死亡、ショック合併率は有意差なし.
72−120hでの治療失敗率は有意にmPSLで低い結果. (画像所見増悪, 呼吸不全[P/F <200, RR≥30], shock, 挿管管理, 死亡)
 晩期の治療失敗回避効果はNNT 4-5程度見込める.

小規模Studyだけども興味深い結果。
市中肺炎でCRP≥15mg/dLとなるのは結構なものという印象があります。ただ肺炎球菌性肺炎だと一気に悪くなり、一気に良くなったりもするので、晩期での治療効果が良好という点から、原因菌別の結果とか、ステロイド投与の基準をもう少し詰められるとより使いやすい気もします。

2015年2月11日水曜日

出血による貧血にはルーチンで鉄剤を。

出血による貧血がある場合はフェリチンがどうであれとりあえず鉄剤を投与しておけ、というお話。

JAMA. 2015;313(6):575-583. 
献血を行った成人 215例を対象としたopen-label RCT.
 500mlの献血を行ったあと、鉄剤37.5mg/d経口内服群 vs 非投与群に割りつけ24週間継続.
 低下したHbの80%改善するまでの期間を比較した.
 患者群はフェリチン値 ≤26ng/mL, >26ng/mL別で比較
アウトカム:

フェリチンが26ng/mL以下であれ、以上であれ、鉄剤を投与したほうが貧血の改善がとても早い。
その差 1ヶ月 vs 3−5ヶ月。
さらにフェリチン値を細かく分けると
フェリチン値が50ng/mLを超えようが、鉄剤投与で貧血改善が早くなる傾向は変わらない。
今回は献血者による評価だけども、出血で貧血あり、でも輸血もいらないそう、という患者群では鉄剤を飲ませるというのはアリですね。
まぁ黒色便が紛らわしくなりますのでそこだけ気をつければ。