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2013年10月31日木曜日

甲状腺エコー所見と甲状腺がんのリスク

JAMA Intern Med. 2013;173(19):1788-1796.

2000-2005年に8806名で計11618回の甲状腺エコーを施行.
 甲状腺がんは105例で診断された.

 年齢は甲状腺がんのリスク因子にはならない.
 Massの数は関連があるが, それだけでも判別困難.

甲状腺がんのリスク評価に有用な所見は
 Microcalcification, 全体がSolid, 大きさ>2cmの3つ.
この3つのいずれかを満たせば, 感度 88%[80-94], 特異度 56%[55-58]で甲状腺がんを示唆
2つでは感度 52%[42-62], 特異度 93%[92-93]

甲状腺のエコー所見と甲状腺がんの可能性(/1000)

ちなみに, 年齢別の結節数の分布.
高齢者では複数個の結節を認めることが多いが それが普通.
多いからといって, 結節があるからといって, イコール 甲状腺がんでは無い.

SWOG trial; 活動性の高い非ホジキンリンパ腫に対する自家幹細胞移植のRCT

N Engl J Med 2013;369:1681-90.
SWOG trial; High, High-intermediate riskのNHL患者 397例のRCT.
5サイクルのCHOP or R-CHOP療法を施行後, 反応を認めた患者群を

さらに3回の導入療法施行群 vs 1回の導入療法+自家幹細胞移植群に割り付け, 
2y PFS, OSを評価し, 比較.

患者は15-65歳で, Folicular large-cell, diffuse small-cleaved-cell, diffuse mixed small-cell and large-cell, diffuse large-cell, large-cell immunoblastic, small non-cleaved-cell Burkitt’s, non-Burkitt’s lymphoma.

Lymphoblastic, transformed, mantle-cell histologic typeは除外.

 移植前の治療;
 Total body irradiation 1.5Gyを計8回(12Gy). Day-8 ~ Day-5に1日2回施行.
 もしくは, High-dose carmustine(300mg/m2)をDay -6,
  High-dose etoposide(60mg/kg[理想体重])をDay -4,
  High-dose cyclophosphamide(100mg/kg[理想体重])をDay -2に投与.

 ≥60歳では下記のCarmustineレジメを選択し, <60歳では主治医の選択となる.
 移植はDay 0で行う.

最終的に割り付けられたのは253例.
 2年間のPFSは有意に移植群が良好 (69% vs 55%, HR 1.72[1.18-2.51], p=0.005)
 OSは両者有意差無し (74% vs 71%, HR 1.26[0.82-1.94], p=0.30)



Risk別に評価すると, High-risk群のみOS, PFSが有意に改善.
High-intermediate risk群では両方とも有意差無し
自家幹細胞移植は若くて,  High risk群のNHLならば考慮すべき治療と言える一方,
High-intermediateならば無理に行う必要なしという結果にもとれる.
うちみたいな移植ができない施設では紹介基準に使えるデータかもしれない.

多発外傷患者における骨折評価目的のエコーは不向きかもしれない

エコーによる骨折評価や脱臼評価は高感度, 特異度であり, 有用という報告は多い


ということは多発外傷における骨折のエコー評価も有用なのか?
American Journal of Emergency Medicine 31 (2013) 15831585
多発外傷で搬送された80例において, 骨折目的のUS評価の感度, 特異度を評価.
18歳以上の多発外傷患者で, 以下は除外.
 Vital sign不安定ですぐに手術室へ搬送される患者,
 意識障害で疼痛部位を説明できない患者,
 明らかな骨折を示唆する変形がある場合, 
 開放損傷例,
 2肢以上の骨折がある場合.

エコーは10-15Hzで疼痛部位を評価し, 骨折を判断.

骨折に対する感度, 特異度は

感度55-75%, 特異度 62.5-84%と低い.
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多発外傷例では時間の関係や状態の関係, ボード固定の関係であまり念入りに1箇所を評価できない.
そのような環境ではエコーによる骨折評価は難しく, それにあまり時間をとってもしょうがないとも考えられる.

やはりエコーは軽症外傷で、限局した部位で、比較的時間をとれる状況でこそ効果を発揮できるのかもしれない.

多発外傷でのエコーはFASTと気胸評価と心臓評価がキモですね.

足首の評価目的のエコー


American Journal of Emergency Medicine 31 (2013) 15511555

Ottawa Ankle Rulesで陽性の131例において,XPよりも先にUSで足首の評価を施行.
 患者のInclusion criteriaとエコーの評価部位
 エコーはLinearを使用し、10Hzで評価.

XPで骨折が検出されたのは20例.
USは感度100%[83.8-100], 特異度 99.1%[95-99.8]で骨折を示唆
 また, XPで検出できなかったSilent Fractureを1例検出できた.
USはXPの頻度を減少させられる可能性がある.



髄膜炎に対するJolt accentuation of headacheのStudy; ERを受診した患者群 その1



American Journal of Emergency Medicine 31 (2013) 16011604
東京多摩医療センターにおけるRetrospective study
2007-2012年にERを受診し, 髄膜炎を疑われ, LP施行された531例中, 髄膜炎と診断されたのは139例であった(26.1%)
ウイルス性 119例, 細菌性 10例, 結核性 5例, 腫瘍性 4例, 真菌性 1例.

この患者群において, Jolt accentuation of headacheの感度, 特異度を評価.

母集団は;


Joltの有無は髄膜炎の可能性を上げないという結果.
感度 63.9%[51.9-76.0], 特異度 43.2%[34.7-51.6]


今までに発表されたJoltの髄膜炎に対する感度, 特異度はバラツキが多い.
患者背景によっても差は大きいと考えられる
今回のStudyはER setting.

2013年10月30日水曜日

横紋筋融解症による腎障害のリスク

横紋筋融解症の嫌な合併症の1つに腎障害がある.
外傷集団で評価したCohortではCPK>5000U/Lでは19%で腎障害となると報告されており, その数字が現在も使用されていることが多い.
(J Trauma-Injury Infection and Crit Care 2004;56:1191-96)

ただし, 外傷と内科的疾患によるCPK上昇では腎障害合併頻度が異なる印象があり,
運動後にCPKが10万超える人もよく見ますが、腎障害合併例は経験したことがありません。

そんな中、1つとても有用なStudyが発表されました.
(JAMA Intern Med. 2013;173(19):1821-1828)

CPK >5000 U/Lを満たす入院患者2371名のRetrospective study
 1397名で腎不全リスク因子を評価し, 974名でValidationを施行. 
 患者は>18yで, 入院3日以内にCPK>5000となった患者群. AMIによるCPK上昇は除外.

 アウトカムはAKIの頻度と透析移行率. それに関連する因子を評価.

 母集団は平均年齢 50.7歳[19.2], 男性 73.8%. 横紋筋融解の原因は外科, 外傷性が52.9%, 内科疾患が47.1%
 全体で透析が必要となったのは8.0%, 院内死亡率は14.1%であった.

腎障害や院内死亡リスクに関連する因子は
 年齢, 女性, 初期Cre値, 初期Ca値, 初期のCPK値, 横紋筋融解の原因, 初期のP値, 初期のHCO3値.
 それら因子でScoreを作成.


 Score別の院内死亡, AKI発症リスクは,

Scoreが>11でリスクは50%以上となる.

また, 横紋筋融解の原因別の頻度は,
筋炎, 筋症, 運動, 痙攣, スタチンでは低リスク.
熱傷や外科手術後, 悪性症候群, 敗血症, コンパートメント症候群, 心停止後ではHigh-riskとなる.

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例えば, 最近の症例で40台の男性が運動会で全力疾走を合計1km程した3日後にCPKが14万となり, 近医より入院加療目的で紹介されてきましたが, その人のリスクはCPK値のみで2ptのみ.
死亡やAKIリスクはほぼ "0" ということになり, 紹介や入院の必要すら無かったのかもしれません.

実際の感覚ともあいます.
ただ、敗血症やコンパートメント症候群や心停止はCPK以外の腎不全要素、死亡リスクも絡んでいるので何とも言えませんが。



2013年10月29日火曜日

腎結石とUTIの合併時の膿尿の感度, 特異度

症例; 61歳女性
昨日からの左背部痛が出現したが我慢していた.
背部痛は急激に発症し, 左背部から移動していない. 重い感じの痛みで, 程度には波があった.本日朝7:30頃に嘔吐, 悪寒戦慄, 腹痛が出現したため, 来院.

既往歴; DM, HL, 膀胱炎は数回. 尿路結石の既往無し
内服薬; ビグアナイド, SU剤, スタチン
その他; 造影剤Shock

身体所見; BT 36.9, BP 141/72, HR 100
胸部所見(-), 腹部所見(-), 左CVA叩打痛(+)

腹部エコー所見
 左水腎症(+), 尿管膀胱移行部に6.2mmのHigh Echo(+)

血液検査
 WBC 3500 Neu 74%, Ly 24.7% Hg 12.5 PLT 19マン
 AST/ALT 30/50 BUN/Cr 14.7/0.8 Na/K/Cl 140/4.1/108 CRP 1.44
尿検査
 pH 6.5, Pro 3+, Glu +, BLD +, WBC (-), SG 1.020, WBC 1-4/HPF, RBC 1-4/HPF

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これは実際の症例です
一見尿管結石と思いがちですが, 悪寒戦慄の病歴があり, UTI合併を疑いました.
事実, この30分後にはショックバイタルとなり, 体温は40度まで上昇.
緊急尿管ドレナージを行い, 多量の膿の様な尿がドレナージされました.

尿中WBCが陰性である点が判断に迷った点ですが,
これに関して前向きのStudyがでていましたので紹介します.

(Ann Emerg Med. 2013;62:526-533)
急性腎結石で受診した患者群のProspective study.
360名が受診し, その内UTI合併例が28例(7.8%)であった.
尿検査のUTIに対する感度, 特異度を評価.


尿中WBCの評価では, WBC>5/HPFで感度86%, 特異度79%でUTI合併を示唆
 つまり 14%はWBC<5/HPFとなることに注意.

尿管の完全閉塞の場合, その中枢側に膿尿があったとしてもそれが排泄されない事は想像に難くない.
またそのような感染症の場合, 急激なショックとなり死に至るリスクも高い
(外来に歩いて来院、待合室でショックとなり倒れる、等)

尿管結石患者では必ず感染評価は重要であり, それは尿検査に頼らず, 病歴や症状を評価するのも大切と言える.

造影剤腎症; 造影CTに対するNAC投与による腎症予防効果

Ann Emerg Med. 2013;62:511-520.
造影CTにおけるNACの腎症予防効果を評価したDB-RCT.
胸部, 腹部, 骨盤部造影CTを予定している患者群をNAC群 vs. NS群に割り付け, フォロー
 NAC群では3g/NS500mlを30分でBolusし, CTを撮影. その後200mg/h(3g/NS1000mlで67ml/h)で2~24h継続.
 NS群では同量のNSを投与.

StudyはN=399の時点で終了.
 両群で造影剤腎症の頻度, Cre値変動に有意差無し.


造影剤腎症の予防に対するStudyは血管造影時のStudyが多く, 造影CTにおけるRCTはなかなか無い点、今回のStudyは価値がある.

結局予防効果はなかったですが…

補足; 造影剤腎症のレクチャー

2013年10月27日日曜日

免疫グロブリン遊離L鎖 κ/λ比

免疫グロブリン遊離L鎖 κ/λ 比
Free light chain, Multiple myeloma, Immunoglobulin

2013年10月25日金曜日

胸水ドレナージの際に凝固補正は必要か?


Chest 2013;144:456-463
INR>1.6 and/or PLT <50kで, 胸腔穿刺をした1009例の解析.
 全例USを使用して胸腔穿刺を施行. US直視下で5Fのドレーンを挿入する手技.

 穿刺前にFFPやPLT輸血で補正しなかった例が706例,
 補正して穿刺を施行した例が303例であった.


非補正群
補正群
p
PLT<50k
14%
43%
<0.0001
PLT
216k[4-1278]
154k[10-750]
<0.0001
INR>1.6
89%
68%
<0.0001
INR
1.9[0.9-7.6]
1.8[0.9-4.2]
<0.0001


出血合併症は
 非補正群で0例(0%[0-0.68]), 補正群で4例(1.32%[0.51-3.36]).

補正しようがしまいが出血は少ない. 
ただし5F程度の細いドレナージでの話.
 凝固能異常の患者でドレナージする必要がある場合は,
 なるべく細いチューブでUSで描出しながらできるならばそれも可、ともとれる。

2013年10月24日木曜日

結膜炎

JAMA 2013;310:1721-1729 に結膜炎のReviewがありましたので、
全訳、、、とはなりませんが、まとめました。

強皮症と心筋梗塞のリスク


The American Journal of Medicine (2013) 126, 982-988
1344名のSSc患者と, 年齢, 性別, 基礎疾患をMatchさせたControl 13440名でACS発症リスクを比較.
 AMI発症率(/100000pt-y)は,SSc群で535 vs Control 313.
 多因子解析ではHR 2.45と有意にSScでAMIが増加.


高血圧(HR2.08), 糖尿病(HR2.14)があり, それらとSSc(HR2.45)は同等以上のリスク因子となる.

SSc患者群における, 使用薬剤別では特にリスクが上昇するものは無い

強皮症でフォローしている患者さんが居るならば、DMやHTと同じ程度のリスクがある、ということくらいは覚えておきたい所です。

2013年10月23日水曜日

心血管障害リスクがある患者では特にインフルエンザワクチンは推奨される


JAMA. 2013;310(16):1711-1720.
インフルエンザワクチン vs Placeboを比較したRCTsのMeta-analysis.
 両群における1年以内の心血管イベント発症率を比較.
 6 RCTs, N=6735. 心疾患の既往があるのは男性51.3%, 女性36.2%

アウトカム;
 心血管イベントは2.9% vs 4.3%と, ワクチン群で有意にリスク低下.

特に最近ACSを発症した群で有意なイベント抑制効果が期待でき,
安定した心疾患患者ではその利点は無し.

 心血管イベントによる死亡リスクは両者有意差は認めず.

インフルエンザ感染症を契機としたACSイベントがインフルエンザワクチンで予防可能な可能性があるという解釈.
COPDもそうですし、やはり高リスク者には積極的に勧めましょう.

敗血症性ショックに対するβ阻害薬


JAMA. 2013;310(16):1683-1691. 
敗血症性ショック患者のHRをβ阻害薬で80-94bpmに抑える意義を評価したPhase 2 trial.

敗血症性ショックで, NAを使用している154例のopen-label RCT.
 元々β阻害薬使用患者, 心不全患者(CI≤2.2, PAOP>18)は除外.
 Esmolol(ブレビブロック)を使用し, HR 80-94bpmでコントロールする群 
  vs 通常の治療のみの群に割り付け, 各パラメータを比較. 
 Esmololは25mg/hで開始し, 20分毎にDose調節を行う.
 敗血症はEGDTを行い, ステロイドは全例に使用.

母集団
アウトカム;
Esmololの使用量とNAの使用量
 Esmololの投与量は平均100mg/h程度.
 Esmolol使用してもNA必要量は特に変化しない, むしろ低下傾向となる.

血行動態パラメータの比較

 血行動態に特に両者で差はない.
 Esmolol群ではより補液量が少なくて済む傾向がある.

 また, 腎機能はEsmolol群で改善が早い傾向.

臨床的アウトカム

死亡リスクは低下する可能性.
しかし, Placeboで9割死亡という数字もかなり微妙...
 ただ, 敗血症の大半が肺炎や腹膜炎によるもの, と考えると高くても当然な気もするし...
再試がでるまでは飛びつきません。結果を注視していきましょう。

2013年10月16日水曜日

重症患者では10日間で20%の筋萎縮が生じ得る


JAMA. 2013;310(15):1591-1600. 

ICU管理で, 48h以上の人工呼吸器管理を行い, 7d以上の集中治療管理を行い生存した63例のProspective study.
 上記患者群をDay 1,3,7,10で筋肉量, 筋蛋白代謝をフォロー.
 筋肉量は大腿直筋のエコー断面積, 外側広筋の筋生検(DNA-protein比) で評価.
 筋蛋白代謝は1,2-13C2ロイシンをDay1,7に投与し, その前後150minに筋生検を行い, 筋内に含有されるロイシンを評価.
 これは健常人8名のボランティアのデータと比較された (平均年齢70.7歳[67.7-73.7], BMI 26.2[24.3-28.2])

母集団;
 患者群の平均年齢54.7歳[50.0-59.6], 男性例59%, 平均APATCHE II 23.5[21.9-25.2]

アウトカム; 筋萎縮

筋断面積はDay 10で18%も減少している.
エコーでの筋断面積の減少と同程度, もしくはそれ以上に, 筋生検での筋線維断面積減少, DNA-蛋白比の減少も認められている.

筋萎縮は多臓器不全例の方がより高度となる.
単一臓器不全例では軽度のことが多い

アウトカム; 筋代謝

筋代謝はDay 1では空腹時の健常人と同等レベル, Day 7では食後の健常人と同等レベルの筋代謝.
食事状態で関係はなく, 重症患者の初期では空腹時の筋代謝レベルまで落ちる可能性が示唆される.

重症患者での筋萎縮に対しては今までも様々なことが言われていたが,
Prospective studyでデータが出たのは貴重です。




2013年10月15日火曜日

溶連菌性扁桃炎患者への抗生剤投与の判断基準


BMJ 2013;347:f5806

PRISM trial; 溶連菌性扁桃炎疑い患者を3群に分けて評価したRCT
①改善が無い場合に抗生剤を開始する群* (Control)
②溶連菌スコア** を用いて適応を決定する群
③スコア + 迅速検査***を用いて適応を決定する群.

* 患者には抗生剤を処方しておき, 3-5dたっても症状が改善し始めない場合に使用するように指導する群.
**スコアは当初はCentor scoreを用いていた(n=1129)が, その後FeverPAINが発表されてからはそちらに変更(n=631). 
 FeverPAIN群ではScore 0-1ではAbx無し, ≥4ptではすぐに開始, 2-3ptでは①と同じマネージメント.
***FeverPAIN 0-1では検査もAbxも無し. 2ptでは①と同じマネージメント. ≥3ptでは迅速検査を行い, 陰性ならばAbx無し, 陽性ならばAbx開始.

アウトカムは臨床症状, 症状の期間, Abx使用率等.
 割り付け後2-4日後の咽頭痛, 嚥下困難を評価.

Centor scoreをもちいたN=1129群では全て3群で有意差無し. 
FeverPAINを用いたN=631の群では, ②群(スコアを用いた判断群)において, 抗生剤使用頻度, 症状の程度, 持続期間の改善が認められる.


スコアを用いた群で最も抗生剤使用頻度が低く, 臨床症状の改善も早いという結果.
迅速検査は必須ではなく, ①のように無駄な抗生剤処方も必要は無し.

抗生剤くれ〜〜〜という依存状態の患者には①のマネージメントは参考になりますね。
(補足) FeverPAIN
24h以上の発熱(Fever), Purulence(化膿), Attend rapidly(発症3d以内), Inflamed tonsils, No cough/coryza(鼻炎症状)を各1点とし、最大5点.

上記のAUCは0.71-0.74, 一方でCentor criteriaは0.65-0.72と, FeverPAINの方がより診断精度はやや高い.
日本の様な医療アクセスがかなり容易な環境では発症3日以内の受診という項目は満たし易いため、その項目を 重篤そうな症状(かなりしんどそう)、というのに置き換えてもよいかもしれない。

2013年10月10日木曜日

Fulminant Type 1 Diabetes mellitus

劇症型1型糖尿病

2013年10月8日火曜日

体重と腎機能別のバンコマイシン初期投与量のNomogram

Journal of Critical Care (2013) 28, 710716

ICU settingにおいて, 2011年3月-4月にVCMを使用した57名で投与量Nomogramを作成(Retrospective)し, 2011年12月〜2012年2月にVCMを使用した60名で評価(prospective)したstudy.

Retrospective群で作成したNomogramは以下

このNomogram使用前後でのVCM初期トラフ値を比較すると,
(Retrospective群 vs Prospective群)

 トラフ値15-20µg/mL達成率は有意にNomogram使用後が良好で,
 >20µg/mLとなる割合は有意差無し.

 Nomogram使用前は血中濃度低めな傾向が多かったが, 使用後は良好な血中濃度が期待できそうな印象.


2013年10月7日月曜日

NMO-IgG、AQP4抗体の検査方法別の感度


Neurology 2013;81:1197–1204 


Mayo clinicでのCohort study.
2005-2011年に診断したNMO患者163名において, IIF, ELISA, CBA, FACSでNMO-IgGを評価.
CBA; Cell-based assay, FACS; Fluorescence-activated cell sorting assay

IIF法では49名でSeronegative NMOと判断されたが,
その後ELISA, CBA, FACSを追加すると, 最終的にSeronegativeと判断されたのは19名のみ(12%).

各検査による最終的なSeronegative NMOと判断された割合は,
 ELISAでは21%, CBAでは16%, FACSでは13%, 複合すると12%.
 最も感度が良好なのはFACS, CBA法と言える.
 少なくともIIFのみでは感度は非常に低い.

ちなみに, 日本国内で可能なコマーシャルベースの検査はELISA法(SRL)であり,
FACS, CBAと比較して感度は10%弱程落ちる可能性がある.

また, 今までSeronegative NMO vs Seropositive NMOで比較されていたStudyが多数あったが、それらの結果も見直さねばならない可能性がある.

このStudyでも双方の比較はされており,
Seronegativeでは男女比が1:1と男性例がより多くなり,
視神経炎と横断性脊髄炎が同時に発症する(30日以内)割合が高くなっている.

2013年10月6日日曜日

強皮症 腎クリーゼ

強皮症 腎クリーゼ
Scleroderma Renal Crisis (SRC)