好酸球増多症
Hypereosinophilic syndrome
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2013年5月28日火曜日
2013年5月16日木曜日
CHADS2 scoreのCHFの解釈
CHADS2 scoreとはAf患者における抗凝固薬の適応を決めるscore.
≥2ptでは脳梗塞リスクが高くなり, 抗凝固療法の適応となる.
他にはCHADS2-VAScという細かいscoreもあり.
Stroke 2010;41:2731-2738
で、CHADS2の "C" であるCHF(うっ血性心不全の既往) だが,
これはSystolic dysfunction? or Diastolic dysfunctionかどうかという疑問.
そもそものCHADS2 scoreではCHFとの記載があるのみで, どちらかを区別してはいない.
CHADS2-VAScにおいて, CHFとLV dysfunctionという記載となる.
(Am J Cardiol 2010;105:502-10) にはLVEF≤35%とCHFがModerate-risk factorとして挙げられており, CHFならば双方とも含むとも考えられるし, Diastolic dysfunctionに対しては未知数との捉え方もできるか?
≥2ptでは脳梗塞リスクが高くなり, 抗凝固療法の適応となる.
CHADS2 score;
2pt; VTE, Stroke, TIA既往歴, 各1pt; CHF, HTN, Age >=75, DM 計6pt
2pt; VTE, Stroke, TIA既往歴, 各1pt; CHF, HTN, Age >=75, DM 計6pt
GHADS*
|
Wa(+)
|
Wa(-)
|
RR
|
NNT
|
0
|
0.25%
|
0.49%
|
0.50[0.20-1.28]
|
―
|
1
|
0.72%
|
1.52%
|
0.47[0.30-0.73]
|
125
|
2
|
1.27%
|
2.50%
|
0.51[0.35-0.75]
|
81
|
3
|
2.20%
|
5.27%
|
0.42[0.28-0.62]
|
33
|
4
|
2.35%
|
6.02%
|
0.39[0.20-0.75]
|
27
|
5-6
|
4.60%
|
6.88%
|
0.67[0.28-1.60]
|
―
|
JAMA 2003;290:2685-92
他にはCHADS2-VAScという細かいscoreもあり.
Risk Factor
|
Score
|
CHF, LV dysfunction
|
1
|
Hypertension
|
1
|
Age>=75yr
|
2
|
Diabetes mellitus
|
1
|
Stroke/TIA/TE
|
2
|
Vascular disease
|
1
|
Age 65-74yr
|
1
|
Sex category(Female)
|
1
|
Score
|
1yr間のTE rate
|
1yrのTE rate*
|
0
|
0%[0-0]
|
0.00
|
1
|
0.6%[0.0-3.4]
|
0.46[0.10-1.34]
|
2
|
1.6%[0.3-4.7]
|
0.78[0.44-1.29]
|
3
|
3.9%[1.7-7.6]
|
1.16[0.79-1.64]
|
4
|
1.9%[0.5-4.9]
|
1.43[1.01-1.95]
|
5
|
3.2%[0.7-9.0]
|
2.42[1.75-3.26]
|
6
|
3.6%[0.4-12.3]
|
3.54[2.49-4.87]
|
7
|
8.0%[1.0-26.0]
|
3.44[1.94-5.62]
|
8
|
11.1%[0.3-48.3]
|
2.41[0.53-6.88]
|
9
|
100%[2.5-100]
|
5.47[0.91-27.0]
|
で、CHADS2の "C" であるCHF(うっ血性心不全の既往) だが,
これはSystolic dysfunction? or Diastolic dysfunctionかどうかという疑問.
そもそものCHADS2 scoreではCHFとの記載があるのみで, どちらかを区別してはいない.
CHADS2-VAScにおいて, CHFとLV dysfunctionという記載となる.
(Am J Cardiol 2010;105:502-10) にはLVEF≤35%とCHFがModerate-risk factorとして挙げられており, CHFならば双方とも含むとも考えられるし, Diastolic dysfunctionに対しては未知数との捉え方もできるか?
Weak risk factor
|
Moderate-risk factor
|
High-risk factor
|
冠動脈疾患
|
LVEF=<35%
|
人工弁
|
甲状腺機能亢進
|
Congestive heart failure
|
僧帽弁狭窄
|
65-74yr
|
Hypertension
|
塞栓症の既往
|
女性
|
Age >=75
|
TIAの既往
|
|
Diabetes mellitus
|
Strokeの既往
|
Af + HFの患者群において, HFPEF群 vs HFREF群別にアウトカムを比較したCohort
(J Am Heart Assoc. 2013;2:e005694)
HFPEF; HF preserved ejection fraction (EFの保たれた心不全)
HFREF; HF reduced ejection fraction (EFの低下した心不全)
HFPEF, HFREF双方とも同等にStroke riskは上昇している.
Non-valvular Af + HF例において, EF別に予後を比較したretrospective cohort.
HFPEFとHFREF群でアウトカムを比較. (European Journal of Heart Failure (2012) 14, 295–301)
Stroke, 血栓症リスクは双方で有意差無し. 同等のリスク因子と判断できる.
Af + HFPEFの330例の調査. (J Neurol Sci. 2008 Aug 15;271(1-2):148-52)
内60例が脳梗塞の既往あり, 280例が脳梗塞の既往無し
脳梗塞の既往あり vs 無しで比較し, 関連する因子を抽出.
多変量解析にて, 脳梗塞リスクとなる因子は2つ.
高血圧(OR 6.03) と E/E’ (OR 1.21)であった.
E/E’が高値程脳梗塞リスクは高くなる ⇒ 拡張障害が高度なほどリスクは高い.
拡張障害パターンの心不全も収縮障害と同等の血栓症のリスクとなる.
また、拡張障害が高度な程リスクも高い.
>> Af患者における血栓症の予防はE/E'にもしっかりと注目すべきと言える.
2013年5月12日日曜日
鉄欠乏性貧血で無症候性甲状腺機能低下症を合併している場合は鉄剤+チラーヂンの併用を
The American Journal of Medicine (2013) 126, 420-424
Subclinical hypothyroid (TSH 4.5-10mU/L, T3,4正常)305名のうち, 60名で鉄欠乏性貧血を合併*
*女性 Hb < 12, Ferritin < 25µg/L, 男性 Hb < 13.5, Ferritin < 30µg/L
[Iron + Placebo], [Levothyroxine + Placebo], [Iron + Levothyroxine]
3ヶ月継続し, Hb, Ferritin値を比較.
Levothyroxine 50µg/dを使用.
母集団;
アウトカム
つまり鉄剤+チラーヂン併用群のみ貧血, 鉄欠乏の改善が認められている.
TSH値はチラーヂンを投与しているGroup 2,3双方で改善している.
鉄の吸収、利用に甲状腺ホルモンが関与しているということが示唆される.
これからは鉄欠乏を疑った際はSubclinical hypothyroidのチェックも同時に行い,
必要があればチラーヂンの併用投与が必要ということになるか.