Pneumocystis carinii pneumoniae, カリニ肺炎, Pneumocystis jiroveci
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2013年4月23日火曜日
2013年4月20日土曜日
頭痛を伴わない "片頭痛"
Migraine aura without headache,
Acephalgic migraine,
Atypical migraine,
Complicated migraine,
Migraine equivalent or variant,
Late-life migraine accompaniment. と様々な呼び方がある.
通常の片頭痛と異なり、高齢者で比較的多く、外来で出会っているが気づけていない可能性がある疾患。知っておきましょう。
Acephalgic migraine,
Atypical migraine,
Complicated migraine,
Migraine equivalent or variant,
Late-life migraine accompaniment. と様々な呼び方がある.
通常の片頭痛と異なり、高齢者で比較的多く、外来で出会っているが気づけていない可能性がある疾患。知っておきましょう。
2013年4月16日火曜日
2013年4月12日金曜日
自然気胸へのミノマイシンによる胸膜癒着術は再発率を低下させる
Lancet 2013; 381: 1277–82
15-40歳の初発の自然気胸214例のopen-label RCT @台湾
Pigtailカテーテルにてドレナージを行い, その後
Minocyclineによる胸膜癒着術群 vs ドレナージのみに割り付け気胸再発のリスクを比較.
癒着術群では, 1%リドカイン30mL投与し, その後NS30mlに溶解したMinocycline 300mgを投与. その後30分毎に体位変換を行う方法.
アウトカム;
1年以内の気胸再発率はMinocycline群で有意に低い.
手術治療の必要性も有意に低下する結果.
MINOによる癒着術では疼痛は有意に増加.
手術移行例では癒着術施行群では胸膜癒着所見も有意に多い(あたりまえ)が, それで手術時の合併症が増加する事は無い.
肺機能にも特に影響は無い.
自然気胸は結構繰り返す人が多い.
ドレナージの侵襲を少なくする為のPigtailカテーテルと、再発率を少しでも下げる為のMINOの投与は考慮しても良いのかもしれない.
ちなみに,
気胸(陽圧換気時の気胸を除く)に対するドレナージでは, 5F(1.6mm)のCVカテーテルを用いる方法と、
14-20FのChest tubeを用いる方法で特に失敗率に差はないので, 細い者を用いた方が簡便、そして侵襲が少なく個人的にはオススメです。
(American Journal of Emergency Medicine (2012) 30, 1407–1413)
2013年4月10日水曜日
Weber-christian病
疑ってみて、結局違ったけど、勉強したついでに記載します。
Weber-christian病 (Medicine 1985;64:181-191)
脂肪組織の炎症性疾患.
1892年, 1916年に報告され, 報告者の名前を取ってWeber-Christian病と名付けられた.
発熱を伴う再発性の脂肪組織の炎症, 結節を生じ, 炎症部位の筋萎縮, 皮膚の引き攣れを生じる.
機序は未だ不明瞭. 自己免疫疾患に合併するもの, 特発性のもの等様々.
組織所見は脂肪織炎, 動脈周囲炎, 肉芽腫形成が主.
治療はステロイド, 免疫抑制療法が試され, 効果が認められる.
15例のWCDと253例のLiterature reviewでは,
症状, 検査所見の頻度はこんなん
組織所見は,
報告例では, 眼窩脂肪織や乳腺の脂肪織炎を来す症例,
縦隔脂肪織炎や後腹膜脂肪織炎を来す症例もある.
(Mod Rheumatol (2011) 21:228–231)(Intern Med 51: 943-947, 2012)
結節性紅斑で, 変わった部位(眼窩や乳腺など)に肉芽腫性の脂肪織炎を認める場合は疑ってみたらいかがでしょう?
Weber-christian病 (Medicine 1985;64:181-191)
脂肪組織の炎症性疾患.
1892年, 1916年に報告され, 報告者の名前を取ってWeber-Christian病と名付けられた.
発熱を伴う再発性の脂肪組織の炎症, 結節を生じ, 炎症部位の筋萎縮, 皮膚の引き攣れを生じる.
機序は未だ不明瞭. 自己免疫疾患に合併するもの, 特発性のもの等様々.
組織所見は脂肪織炎, 動脈周囲炎, 肉芽腫形成が主.
治療はステロイド, 免疫抑制療法が試され, 効果が認められる.
15例のWCDと253例のLiterature reviewでは,
症状, 検査所見の頻度はこんなん
15例
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Literature review
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平均年齢
|
42歳
|
37歳
|
女性
|
80%
|
72%
|
下肢の皮下結節
|
92%
|
73%
|
上肢の皮下結節
|
60%
|
58%
|
発熱
|
80%
|
61%
|
関節炎, 関節痛
|
60%
|
21%
|
筋肉痛
|
40%
|
8%
|
腹痛
|
20%
|
15%
|
肝脾腫
|
13%
|
16%
|
ESR亢進
|
80%
|
68%
|
貧血
|
40%
|
68%
|
WBC上昇
|
27%
|
35%
|
WBC低下
|
40%
|
42%
|
PLT低下
|
7%
|
47%
|
補体低下
|
50%
|
0%
|
7S IgM
|
60%
|
不明
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Circulating immune complexes
|
50%
|
29%
|
組織所見は,
15例
|
Literature review
|
|
Septal panniculitis
|
64%
|
21%
|
Lobular panniculitis
|
92%
|
75%
|
単核球浸潤
|
62%
|
48%
|
好中球浸潤
|
31%
|
9%
|
Pleomorphic
|
54%
|
43%
|
Fat-laden Mφ
|
85%
|
49%
|
線維化
|
31%
|
|
壊死
|
77%
|
|
血管炎
|
32%
|
|
報告例では, 眼窩脂肪織や乳腺の脂肪織炎を来す症例,
縦隔脂肪織炎や後腹膜脂肪織炎を来す症例もある.
(Mod Rheumatol (2011) 21:228–231)(Intern Med 51: 943-947, 2012)
結節性紅斑で, 変わった部位(眼窩や乳腺など)に肉芽腫性の脂肪織炎を認める場合は疑ってみたらいかがでしょう?
2013年4月3日水曜日
ギランバレー症候群と腱反射
Guillain-Barre症候群では通常 腱反射は減弱〜消失する.
例外は中枢、脳幹が障害されるBickerstaff脳幹脳炎や、Pharyngeal-Cervical-Brachial variantと呼ばれる咽頭〜頸部, 上肢の症状が主な病態であるが, それ以外は低下するのが診断基準にも含まれている.
----------------------------------------------------------------
症例; 20台女性. 下肢麻痺
2wk前に下痢症状が持続. 数日の経過で下肢の運動麻痺が出現. 増悪し立位も困難となったために来院.
所見は両下肢のMMT 2/2と低下しており, 上肢は問題無し. 感覚障害は全く問題無し.
MRIでは腰椎〜胸椎病変無し. 頭部MRIでは頭頂葉の病変も認めない.
----------------------------------------------------------------
AMAN型(Acute motor axonal neuropathy)のGBSか... と思われたが, 下肢の腱反射は普通に保たれている. バビンスキは屈曲.
........GBSっぽいのにDTRが保たれている.....ということがあり得るのか?
7例全例で抗GM1抗体が陽性. 抗C jejuni抗体は2例のみ陽性.
腱反射亢進患者はよりAMANで多く(6/23 vs 1/18(AIDP)), 抗GM1抗体陽性例で多い(7/26 vs 0/28)
他のタイプでは腱反射亢進例は認めなかった.
コレをみると発症初期でもAMANの2/23例が腱反射 正常 or 亢進となっている.
他のタイプのGBSでは腱反射亢進は認めない.
------------------------------------------------
GBSのうち, AMANは海外では3-7%だが, アジアでは65%を占める多い型.
カンピロバクター感染後の発症が多く, 経過も一致する.
従ってあまり腱反射消失にこだわる必要性は無いのかもしれない.
これでGM1抗体陽性ならば尚更AMAN型のGBSで良いのであろう.
例外は中枢、脳幹が障害されるBickerstaff脳幹脳炎や、Pharyngeal-Cervical-Brachial variantと呼ばれる咽頭〜頸部, 上肢の症状が主な病態であるが, それ以外は低下するのが診断基準にも含まれている.
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症例; 20台女性. 下肢麻痺
2wk前に下痢症状が持続. 数日の経過で下肢の運動麻痺が出現. 増悪し立位も困難となったために来院.
所見は両下肢のMMT 2/2と低下しており, 上肢は問題無し. 感覚障害は全く問題無し.
MRIでは腰椎〜胸椎病変無し. 頭部MRIでは頭頂葉の病変も認めない.
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AMAN型(Acute motor axonal neuropathy)のGBSか... と思われたが, 下肢の腱反射は普通に保たれている. バビンスキは屈曲.
........GBSっぽいのにDTRが保たれている.....ということがあり得るのか?
(J Neurol Neurosurg Psychiatry 1999;67:180–184)
抗GM1抗体が陽性となるAMANでは腱反射亢進するタイプが報告されている.
GBSと診断された日本人 54名の解析では, 7名(13%)で腱反射が亢進していた. (AMAN 6名, AIDP 1名)7例全例で抗GM1抗体が陽性. 抗C jejuni抗体は2例のみ陽性.
腱反射亢進患者はよりAMANで多く(6/23 vs 1/18(AIDP)), 抗GM1抗体陽性例で多い(7/26 vs 0/28)
他のタイプでは腱反射亢進例は認めなかった.
コレをみると発症初期でもAMANの2/23例が腱反射 正常 or 亢進となっている.
他のタイプのGBSでは腱反射亢進は認めない.
------------------------------------------------
GBSのうち, AMANは海外では3-7%だが, アジアでは65%を占める多い型.
カンピロバクター感染後の発症が多く, 経過も一致する.
従ってあまり腱反射消失にこだわる必要性は無いのかもしれない.
これでGM1抗体陽性ならば尚更AMAN型のGBSで良いのであろう.
2013年4月2日火曜日
レクチャー; 横断性脊髄炎 多発性硬化症について
(4/2朝レク分)
タグ; 横断性脊髄炎 多発性硬化症 Transverse myelitis, myelopathy, Multiple sclerosis, TM, MS
タグ; 横断性脊髄炎 多発性硬化症 Transverse myelitis, myelopathy, Multiple sclerosis, TM, MS
FFPによるワーファリンの拮抗
ワーファリンによるINR過延長を速やかに拮抗するためにはFFPが必要となる.
どの程度必要かは結構経験による要素が大きいが, それを推測する有用な計算式を紹介する。
Validation setにて予測値と実測値の相関性をみると,
結構優秀な一致率. これは色々使えるね! 覚えておきましょう.
どの程度必要かは結構経験による要素が大きいが, それを推測する有用な計算式を紹介する。
Mayo Clin Proc. 2013;88(3):244-250
肝障害, 凝固障害を除いた患者群で, WarfarinによるINR延長に対してFFPを使用された956名の調査
FFP 1Uあたりにどの程度INRが改善するかを評価したところ, 以下の様な比例直線となった。
これから, FFP 1UあたりのΔINRを導くと,
FFP 1単位あたり,
0.57 x PreINR - 0.72 のINR低下が認められる計算となる.
例えば, INR 5の患者にFFP 1単位投与すると, INRは約2低下する計算. FFP投与後のINR予測値は3となる.
ただし, 海外のFFP 1Uは日本国内の2単位に当たるため, 解釈には注意が必要.
海外の1Uは450mlの血液より精製させるFFP. 一方で国内の場合は200mlからであり, およそ半量となる.
その点考慮すると, 日本国内ではFFP 1単位あたり,
0.28 x Pre INR - 0.36 のINR低下が認められる計算
結構優秀な一致率. これは色々使えるね! 覚えておきましょう.